<この体験記を書いた人>
ペンネーム:トリコ
性別:女性
年齢:50
プロフィール:W不倫していた夫(52歳)に見切りをつけ別居に踏み切りました。家族の世話から解放されてシングルを満喫中。
義母(2020年に77歳で亡くなりました)は、何かと自分の趣味を他人に押し付ける厄介な人でした。
その押し付け方がかなり強引で、こちらが断るに断れない状況を作り、外堀から固めていくタイプでした。
例えばこんなことがありました。
ある日、私が仕事から帰ると、頼んだ覚えのないパッチワークの教材が届いていました。
住所も宛名も合っていたため、教材の送付元の会社に問い合わせてみました。
すると不思議なことに、間違いなく私の名前で申し込みがあり、料金も一括で支払ってあるではありませんか。
もしやと思い、近くで暮らす義母に電話すると、案の定「あら、もう届いたのね」という返事が返ってきました。
私に断りもなくパッチワークの教材を申し込んで、料金まで払ってくれていたのです。
前々から「裁縫を教えてあげるから一緒にやろう」と誘われていたものの、まさかそんな強引な手段を取られるとは思っていませんでした。
義母の行動力には怒りを通り越して、ただただ呆れるばかりでした。
あのときは義母に付き合ってBOXティッシュのカバーを完成させました。
私の不慣れな手つきを見た義母から「あら、○○さん(私のこと)は意外と不器用なのね」と、嫌味を言われた覚えがあります。
何かにつけてひと言多いのも、義母の趣味に付き合いたくない理由の1つでした。
他にもこんなことがありました。
残暑が厳しい2016年9月のこと、わが家を訪れた義母から「一緒に行きましょう」とチケットを2枚渡されました。
それは地元の交響楽団が演奏するクラシックコンサートのチケットでした。
ファンなら嬉しいプレゼントなのでしょうが、パンクとロックにしか興味のない私にとって、クラシック音楽は睡眠導入剤にしかなりません。
10分としないうちに眠ってしまったら義母に何と嫌味を言われるか...。
「その日は用事がある」と伝えて断ろう。
そう思ってチケットを見てみると、公演日は3カ月も先ではありませんか。
これが3日後や3週間後なら仕事や子どもの学校行事を理由に断ることもできたのですが、3カ月も先となると、うまい言い訳が見つかりません。
結局、私が予定を空けることになりました。
ただ、さすがの義母も自分の趣味に付き合わせるのは悪いと思ったのか「帰りに鰻丼でも食べましょう」と提案してくれました。
そこで半ば鰻に釣られるかたちで、好きでもないクラシックを聴きに行くことに...。
コンサート当日、私の頭の中は鰻丼でいっぱいでした。
どうせなら特上を頼んで茶碗蒸しとデザートも付けようかな。
そんなことを呑気に考えているうちに睡魔に襲われ、少しの間ウトウトしてしまいました。
しまった! 寝ているのを義母に勘づかれたのではないか。
そう思って隣を見ると、座っているはずの義母の姿が見当たりません。
しばらく待っていましたが、30分近く経っても席は空いたまま。
心配になり、会場の外へ探しに行きました。
すると、ちょうどトイレから出てくる義母の姿を見つけました。
どうやら公演の途中でお腹を下してトイレに籠っていたようです。
残念ながら鰻丼はお預け...コンサートが終わったらまっすぐ帰りました。
ところが、自宅へ到着する頃には義母の調子はすっかりよくなっていて「今日は全部聴けなかったから、また行こうね」とニッコリ。
その後、一緒にコンサートに行けなかったので、義母との鰻丼も結局食べれずじまいです。
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