<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みわちゃん
性別:女性
年齢:62
プロフィール:猪突猛進、人の意見が耳に入らなくなる義母との付き合いは大変でした。
義母(享年92歳)の話です。
義母は、自分がいいと思ったものは、誰もがいいと思うに違いないと信じている人でした。
そして家族や親戚、友人に勧めるのです。
高級美顔器、携帯の有料アプリ、呼吸法、サプリメント、寝心地がいいというベッド...義母から勧められたものは数知れません。
義母には情報を提供する人がいたようで、後になってこの話を聞いたとき、もしかするとカモにされていたんじゃ...と、不謹慎ですが思ってしまいました。
あるとき、義母は美顔器にハマり、多くの人に勧めるために日本中あちらこちらに出向いていました。
なぜそこまでするのか聞くと、義母曰く「ボランティア精神でやっている」とのこと。
たしかにお肌は若々しくなりますが、義母が売っていたものはメーカー、販売代理店などを間に挟み、それぞれにマージンを取られるため値段は高くなります。
結果、義母が売った美顔器はメーカー直販よりも高く、義母はたくさんの友人を失いました。
でも、本人曰く「いいと思ったのよ」です。
携帯の有料アプリは「それを使って自分のサイトを作る」というものでした。
とはいえ、義母がサイトを作れるはずがありません。
そもそも「どういうサイトを作って何をしたいの?」が重要です。
でも「お願い、今度こそ絶対ちゃんとするから」と懇願され、結局私が作るはめになりました。
当然のごとく、義母は内容の更新などもできないため、サイトを維持することができずに終わりました。
でも、本人曰く「いいと思ったのよ」です。
呼吸法の商材はCDでした。
CDから流れる音楽に合わせて呼吸することで、体調が管理されてダイエットもできるという触れ込みでした。
「息を吸って~、息を止めて~、息をはいて~」
ゆったりとした音楽に乗せられたCDを聞いているうちに眠りの世界へ誘われ、いつの間にかCDは終わってしまうことがよくありました。
ちなみのこのCD、とても高価でした。
ほかにも1本2L以上はありそうなアロエジュース、お風呂に入れる竹酢液、アガリクス、プロテイン、サプリメントなどなど...ほとんど廃棄しています。
それでも本人は「いいと思ったのよ」と言います。
極め付けは寝心地がいいと言われたベッド。
第一印象は「こんな大きいベッド、どこに置くの?」でした。
間取りの関係で寒い部屋にしか置くところがなく、これは「寒くて寝られない」とのこと。
さすがに義母も夫もお手上げ状態でした。
義母に振り回された思い出は尽きることがありません。
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