「職場の厄介者」の逸話の数々。怒らせると面倒、からの悪循環で...

私が勤めている会社での話です。

私よりも10歳も年下、20代の男性社員Sさんがトンデモない人でした。

Sさんは態度も声も大きくて威圧的、常に大声で怒鳴っているような人です。

彼にまつわるエピソードはいくつもあるのですが、中でも驚かされたのは仕事でイベントを行ったときのことです。

「普通はこういうとき、上司って部下に何か買ってくるのが当たり前だよね！」

イベント中、Sさんが突然上司に向かって言ったのです。

上司は慌てて差し入れを買ってきました。

こんな人もいるんだなと、心底驚きました。

Sさんは常にこのような態度だったため、中途で入社した私は「この人は上層部の人なんだ...」と思っていました。

しかし、この人は上層部でも何でもなく、中途入社の私と同じ職位・平社員であることが後々分かりました。

周りの人はSさんを怒らせると面倒という理由で、意見も注意もせず従っていました。

そのため、余計にSさんは図に乗ってしまう悪循環でした。

家庭を持っている私は誘われることはなかったのですが、若い独身の人たちはSさんの頻繁な飲み会の誘いも断れず、もはや言いなりの状態...。

パートさんたちはSさんとは同じ部署では働けないと訴え、中には「同じ部署になるなら退職する」という人もいるくらいでした。

そうして、どんどんSさんと働ける人がいなくなっていきました。

私も極力関わらないようにしていたのですが、どうしてもSさんに確認をしなければならない仕事もあり、そのたびに嫌な思いをしました。

当然ですが、いじめもひどかったです。

ターゲットは大抵の場合、新人さんです。

何が分からないか分からない、何を聞けばよいのか分からずに困っている新人さんに、Sさんは教えてあげることなどせず、陰口ばかり言っているのです。

Sさんにいびられ、何度も新人さんが泣いているのを見たことか...。

また、Sさんの圧力からか、他の人も一緒になって新人さんをいじめ、目配せして笑っていました。

私はその様子を見ているのが辛くて、何度か上司に相談しましたが、上司はSさんを庇うばかりで、ターゲットの人を守ってくれようとはしませんでした。

そんなSさん、たくさんの人に迷惑をかけた挙句、何事もなかったかのように別の会社に転職しました。

すると、Sさんがいないだけで職場環境はかなり改善され、雰囲気も良くなってきました。

少しずつですが、他の人も柔和になってきて、相談事も聞いてくれるようになってきました。

Sさんはこんなにも周りに悪い影響を与えていたんだな...改めてそう思いました。

しかし、最近嫌な噂を聞きました。

Sさんが「うちの会社に戻ってきたい」と言っているようなのです。

「あの人が戻ってくるなら、会社を辞める」という人が大勢いて、会社に訴えていますが、上層部がどのような判断をするのか気になっているところです。