もうすぐ還暦を迎える主婦ブロガーのかづさんが、結婚当初から始まった義母との戦いを振り返って書いた実話コミックエッセイ『義母クエスト〜結婚したらいきなりラスボス戦でした〜』(原作・かづ/漫画・赤星たみこ)。義母の強烈な嫌がらせの数々が怖すぎる! と今話題の1冊です。原作者のかづさんに壮絶な嫁いびりを受けながらも離婚をしなかった理由について聞きました。
――ひどい仕打ちを受けても離婚の選択肢を取らず、「私なら乗り切れる!」と戦い抜く選択をしたのはなぜでしょうか?
かづ:基本的に私はこの上ない「負けず嫌い」なんです。今も昔もそうなんですが、自己肯定感が高いんですね。私なら絶対になんとかクリアできると思っちゃうんです。私自身悪いことはしていないという認識だったので、ここで離婚して「尻尾巻いて出て行った!」と義母に吹聴されるのは悔しいんですよ。それに息子たちの父親としてこの男を選んだのは私なので、任命責任じゃないですけど、最後まで私が引き受けたろうかなと(笑)。
――二十歳そこそこで「最後まで私が引き受けたろう」というのはなかなか覚悟が決まっていますね。
かづ:ええ。あと離婚しなかったのは子どもの存在も大きかったです。当時は無収入の専業主婦でしたから、離婚したら最悪の場合、親権を夫に取られて子どもは姑に育てられるのだろうと思っていました。そうしたら姑の事ですから、子どもに私の事を「最悪の母親だったから、あんたを置いて出て行った」と吹き込むに違いないんです。それだけは絶対に許せませんでした。逆にもし私が親権を取ったとしても、将来子どもに「僕のお父さんはどんな人だったの?」と聞かれた時に、恨み辛みしか残ってないじゃないですか。ろくでもない夫ですが、「色々しでかしてくれたけど、良いところもあるよね」と笑い話に出来るようにするのが私のすべきことだと思いました。
――義母と戦い抜く決意をしたとはいえ、つらくて落ち込んでしまうような日もあったかと思います。そんな時は、どうやって気を持ち直していたのでしょうか。
かづ:先ほど自分は自己肯定感が高いと言いましたが、ハタチそこそこで義母から嫌がらせの数々を受け、夫からも否定的なことを言われ続けると、「あれ? おかしいのは私?」と思えてくるんですよ。 そんな時は鏡の中の自分に向かって「あんたは悪くない!」と自分で自分を励ましていました。外から見たら変ですよね。でもそうしていると、「そーやんな! 私が悪いんやないよな!」と思えてきて、「よしっ!どっからでもかかって来んかい!」って気になりました。あははは!
負けず嫌いの性格から離婚の選択を取らず、最後まで義母と戦い抜く覚悟を決めたかづさん。どんなに酷い嫌がらせを受けても何度でも這い上がり、「どっからでもかかって来んかい!」と気丈に笑うのでした。
取材・文/宇都宮薫
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。