<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まさかず
性別:男性
年齢:44
プロフィール:ピュアなこどもの笑顔にメロメロになっちゃう40代のおじさん。
私たち家族は、妻と子どもの四姉妹も合わせて6人で「連(れん)」と呼ばれる阿波踊りのグループに入っています。
グループに入って10年以上になりますが、コロナが始まってからは踊りを披露するお祭りは軒並み中止。
練習場所の確保もままならず、活動も自然と下火になっていました。
そんな中、2021年の秋、私たちの子どもが通っていた幼稚園で少人数ながら阿波踊りを披露する機会をもらえました。
グループでマスクをして近くの公園で練習し、本番に臨みました。
しかし、久しぶりの披露ということもあって、私たちのグループは踊りも固く、お囃子の太鼓のリズムや笛の音色も本調子ではありませんでした。
また、披露した幼稚園では、お祭り自体に慣れていない子どもも多く、踊りは見てもらいましたが、子どもたちの笑顔を多く見ることができませんでした。
しかし、私たちがお囃子で使っている楽器を触らせてあげると、次第に笑顔も増えていき表情も和んでいくようになりました。
この日、私にとって印象的なひとりの子どもがいました。
その子は太鼓を叩く私の目を不思議そうにジーっと見ていました。
ジーっと見つめた後、トコトコとこちらに寄ってきて、私の目の前で拍手をしてくれました。
この笑顔が本当にかわいくて、私だけでなくグループの緊張もほぐれた感じがして、笑顔が増えました。
それから1カ月。
久々の集合練習にいくと、なんとその子がご両親と見学に来ていました。
前回、幼稚園で踊りを披露してから太鼓や踊りが大好きになり、家でもおもちゃの太鼓でマネをしていたそうで、ご両親が私たちの練習を見学したかったとのこと。
いつも通り、お囃子の音に合わせて踊りの基礎練習を始めました。
見学の子どもが踊りの近くにトコトコ歩いていって、パチパチと拍手をしていきます。
それにつられて私たちグループのメンバーもニコニコ。
ご両親も踊りや音楽が好きなようで、みんなでその子を見守りつつ、ご両親も練習に加わることになりました。
久々の練習は、見学に来た子どもとご両親のおかげで、とてもよい雰囲気で終えることができました。
2022年に入ると徐々に出場できるイベントも増えてきました。
そうなると練習にも熱が入り、「上げた手の高さが揃ってない!」「お囃子のリズムが早すぎる!」などとピリつく雰囲気になります。
以前のような勝手が思い出せず、何度もやり直しすことに。
何度目かのやり直しで、ようやく、うまく揃うことができました!!
すると、以前ご両親と見学に来てくれた子どもがトコトコとやってきて、パチパチパチパチ...。
メンバーは無言で顔を見合わせ、前回と同じように笑顔に...場の緊張がほどけて、和やかになった瞬間でした。
その後の休憩で、太鼓のリズムを確認するため小さな音で私が自主練をしていると、その子がトコトコときて、太鼓に耳を当てます。
太鼓の革がブルブルと震える振動が好きなようです。
耳を革にあてて、笑顔で私の目を見つめてきます。
「あんまり、焦ってやってもうまくいかないよ」、そう私に言っている気がしました。
そうして迎えた地区祭りの本番。
踊りをフルメンバーで披露するのは実に3年ぶり...どうしてもメンバーの表情と動きが固く、なかなか私たちの実力通りの踊りができません。
ギャラリーのウケもイマイチ。
すると、脇で座っていたあの子どもが、ご両親の手を振りほどいて輪の中にトコトコやってきました。
踊っているメンバーの横でパチパチパチパチ...。
この光景を見ていたギャラリーも私たちメンバーは全員、笑顔になったのです。
踊りのデキは今一つでしたが、みんなで笑顔になることができました。
「お祭りって競技じゃないから。みんなで笑顔に元気になればそれでいいんだよ」
その子が大切なことを気づかせてくれたました。
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