<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:53
プロフィール:両親と同じ敷地に夫と住んでいる53歳自営業。
先日、サークルに出かけた母(80歳)を迎えがてら、スーパーへ買い物に行ったときのことのことです。
その日は風が強く吹いていました。
駐車場で車から降りてお店に向かう途中、ふとお店の前に置いてあるベンチに目を向けたのです。
そのベンチは市で運用している乗合タクシーを待つためや休憩のためなどで、ご高齢の方がよく座っています。
この日もご高齢の女性が一人で座っていました。
女性の両脇には買い物袋が置いてあり、「たくさん買い物したなぁ」と思いながら見ていると、パッと強い風が吹きました。
煽られてずれた帽子を慌てておさえる女性。
帽子は頭から落ちずにホッとしたのですが、その代わりに買い物袋がドサっとベンチから落ちて、中の品物も見事にバラバラ。
惨憺たる状況になってしまったのです。
「ひぇ~品物潰れちゃったんじゃないかなぁ?」
私はまだ遠くにいたのですが、周りに何人かお客さんがいたので、きっと誰かが手を貸すだろうと思っていたらちょっとビックリ。
ベンチの傍にいた人たちは何となく見ていただけでした。
当の女性は買い物袋の見事な落ちっぷりに呆然として固まったかと思ったら、あたふたと品物を拾い始めました。
でも、焦ってうまく拾えずに、かえって収集が付かない状態になってしまっています。
「こりゃ、ダメだ。みんな冷たいなぁ」
小さく呟きながら助けにいこうと足を速めたそのときです。
外国人の男女2人が駆け寄って来て、テキパキと品物を拾っては袋に入れ始めました。
突然現れた助っ人に女性は恐縮して、自分も一生懸命に拾いながらお礼を言っています。
お礼に対して、その男女は大きな声で返すのですが、何語か検討もつかず、サッパリ意味は分かりません。
きっと、女性も分からなかったでしょう。
でも、身振りや笑顔だったことからも、きっと優しい言葉をかけていたのだと思います。
そうして品物は無事、すべて袋に回収されました。
ホッとした表情で改めてお礼の言葉を繰り返す女性に、2人は清々しい笑顔を浮かべながら手を振って去っていきます。
やっと追いついた私にもニッコリ。
何も手助けしていないのに、思わず私もニッコリして手を振ってしまいました。
「良かったですね」と女性に声を掛けながら、カップルの後ろ姿を笑顔で見送りました。
とても気持ちの良い出来事でしたが、外国人カップル以外は見て見ぬふりをしていて...日本人としてちょっと恥ずかしい気もしました。
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