皆様こんにちは、『離活のためのアラフィフ貯金日記』の管理人"くるぴた"です。
ここでは昔、結婚生活中に起こった「おいおい、ちょっと待て」と思うような出来事などを中心に書いていきます。
【前回】夫の職業を知らないままの結婚生活。「生活費も払えない」ってほんとに働いてる?/くるぴた
断捨離やミニマリストが、脚光浴びるようになってから、ずいぶん経ちます。
私も見よう見まねでものを少しずつ捨てるようになりました。
衣類なども古いものは大体処分済みなのですが...
そんな中、古いけれどいつまでもクローゼットの一角で、かなりのスペースを塞いでいるものが1着だけあります。
それはオーダーメイドのシルバーのコート。
いかにも注文したという雰囲気の黒い箱に入っており、生地はてらてらと光って、見るからに高級そう。
細身のロング丈で、ボタン1つとっても質の高さを感じます。
襟には絶対フェイクファーじゃなさそうなフワフワした手触りの黒い毛皮が、たっぷりと付いていました。
オーダーメイドといっても私用に作ったではありません。
元夫の母、義母が義父に作ってもらったものです。
それが私の物になったのは、今を去ること10年近く前。
当時まだしっかりしていた義母がサービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住に入る時、持ち物を整理しました。
その際に義母からもらったものです。
「これね、10万円以上したの。私が定年で仕事を辞めた特に、お父さんに 『ここまで頑張って働いてきたから、何かご褒美を買ってやる』 って言われて、お店で作ってもらったの。だから一点物なんだ。でもね、あんまり高すぎて2、3回かしか着なかったから形も崩れてないし、きれいだし...勿体ないから、できれば着て欲しいんだわ」
そう言って渡されました。
普段厳しい義母が、この時はニコニコしていたのを思い出します。
しかし、困ったことになりました。
パーティードレスの上に着るような雰囲気のこのコートに、見合う服が無いのです。
普段私が身に付けている物は、衣類にしろ靴やバッグにしろ、ほとんどはスーパーやしま◯らで買ったもの。
ちょっとしたよそ行きですらその域を出ません。
ましてやそんな高級品を着ていくような機会そのものも、ありませんでした。
それに、いつ天気が急変するか分からない札幌の冬。
こんな高級なコートを雪まみれにする勇気もありません。
一度だけ、鏡の前で義母のコートに袖を通してみましたが、完全に服に着られている感じ。
高級感を放つこのコートは着こなしの難易度がすこぶる高いのです。
大事に扱おうとすると、どうしても気楽に着られないのだけれど、せっかく高価なものをもらっておいて、一度も表に着ていかずに処分するのも、これまた勇気が必要でした。
しかも義両親達の思い入れがギュッと詰まっています。
しかもその数年後、夫と離婚することになってしまったのです。
そうなると、なおさら私がこれを持っていていいのか、という話になります。
夫と離婚する時に、コートを返すべきかと電話で義母本人に相談しました。
すると義母から 「息子が迷惑を掛けたし、慰謝料もなんも払ってないって言うでしょう? 私からじゃ何もできないけど、あれはあんたにあげた物だから大事に持ってって」 と言われて、返すのをやめました。
今はもう義両親は2人ともこの世を去っていて、このコートが形見のようになっている側面もあります。
『迷ったら捨てるのが、モノを捨てるコツ』などとよく言われますが...
自分にとっては使わない物でも、人の思い入れが強い物を処分するのは難しいですね。
おそらく義母のコートを最後までタンスの肥やしにしたまま、一生を終えそうな気がしています。
ちなみに、私が元夫自身にもらった物で一番高かったのは、結婚指輪だったでしょうか。
値段を書くのもどうかとは思いますが、大体7~8万円程だったと思います。
それ以外にもらったものはは小樽の土産物屋で買ってもらったガラス製のペンダントと指輪です。
2つ合わせて3000円~4000円位だったと思います。
他には特に何をもらったと言う記憶がありません。
碌な結婚生活ではなかったけれど、思い出が少ない分、見切りをつけるのも楽でした。
そのおかげで人生をやり直す決意を固めることができて良かったのだと、今は思うのです。
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