包丁で私を追い詰めて...家族が気づかぬまま義母の認知症は「最悪」へと進んでいた...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:42
プロフィール:夫(53歳)、小学5年生息子の3人暮らし。共働き家庭です。

包丁で私を追い詰めて...家族が気づかぬまま義母の認知症は「最悪」へと進んでいた... 16.jpg

義実家は飛行機でないと行けないほどの遠方にあり、しかも豪雪地帯です。

義実家では82歳の義母が20年近く、一人暮らしをしています。

しかし2年前、2020年のコロナ禍に認知症を発症してしまいました。

義実家から車で1時間ほどのところに住む義兄が、ほぼ毎週末に義実家に通っています。

義兄は義母と買い物に行き、家の中の掃除や郵便物の確認などを行い、夫や私にメールで義母の状況を報告してくれています。

また、義母は週に2回、デイサービスを利用中です。

「お義母さん、もう一人暮らしは無理だよ。3分前のことも覚えてない。雪が降ったら雪かきも無理だし、早く一人暮らしを解消しないと」

義母のかかりつけの医師からそう忠告を受けていると聞きました。

2022年のことです。

義実家へ3年ぶりに帰省しました。

諸事情で次男の妻の私のみが先に一人で行くことになってしまい、義実家に1泊したのですが、そこで分かったのは、義兄から聞いていたよりもはるかに認知症が進行していたことです。

昔、身内の認知症の介護経験があった私は「お義母さん、一人暮らしは絶対に無理でしょ!」と呆然としてしまいました。

ちょうどコロナのこともあり、義兄は義母と2年近くも一緒に食事をしていなかったようです。

そのため、義母が認知症になってからも、義母の食事や調理の様子を「一度も見たことはなかった」と。

義母の細かい日常生活を把握していなかったのは仕方がないと思います。

結婚してからずっと私には「次男の嫁」と厳しく接し、いつもしっかりしていてシャキシャキだった義母が、今では5分おきに「あなた、どなた?」と聞いてきます。

「〇〇さん(ケアマネージャーさん)だったかしら?」

次男の妻と分かりませんし、薬を飲んだことも覚えていません。

ピルケースに曜日ごと、朝昼晩ときちんと分けてあっても、同じ薬を何度も飲んでしまいます。

夕飯作りでは、義母が塩や醤油など同じ調味料を何度も入れてしまうので、申し訳ないのですがとても食べられず...。

でも、義母は認知症で味覚が鈍ったためか平気で完食してしまい、さらに「まだ晩御飯食べてなかった!」と言って何度も食事の用意をしていました。

認知症の影響か感情の起伏も激しく、突然私に「泥棒が何をやってるの!」と刃物を持ち出してきたことありました。

逃げようにも田舎のため、外は街灯がなく、私のスマホは圏外。

その上、畑仕事ができなくなって荒地と化した広大な畑には、イノシシが何匹も餌探しに来ていました。

「子連れの母イノシシは、子イノシシを守るため気が立っているから襲われる」

以前からそう聞いていた私は、刃物で私を威嚇する義母と、殺気立った母イノシシとの板挟みです。

結局、怖くて朝まで一睡もできませんでした。 

次の日、義実家に来た夫と義兄、親戚たちに全てを話して「すでに一人暮らしは無理です!」と忠告。

義兄たちも事の重大さにようやく気づき、その後から必死に施設探しを始めましたが、難航しているようです...。

人気記事:《漫画》同居して36年...100歳で亡くなった義母が言いふらし続けた嘘ばかりの「悪口」<前編>
人気記事:もう騙すしかない! 認知症のお義母さんへの「渾身の演技」の結果は...?「2人一緒にショートステイ(4)」《バニラファッジ》

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP