<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ミリー
性別:女性
年齢:49
プロフィール:甘いものが恋しくなるお年頃でしょうか? 最近夜のスイーツが毎日のお楽しみタイムになっています。
ある昼下がり、ちょっと遠出をした帰りに路線バスに乗りました。
車内には数人のお年寄りと50代くらいの女性が1人いるのみ。
バスはシーンと静まり返っていました。
市街地から住宅街に入ったところで、30代前半くらいの女性が赤ちゃんをベビーカーに乗せてバスに乗車しました。
その後ろには2歳くらいに見える活発そうな男の子もいて、ぴょこぴょこと母親の後ろにくっついて優先席に勢いよく座りました。
最初は男の子も赤ちゃんも静かでした。
でも、男の子がじっと座っていることに飽きてきたのか「ママー! ママー! 降りるーーーー!!」と大声で叫びだしました。
慌てたお母さんが小さなおもちゃを取り出すと、男の子も機嫌を直し、楽しそうに遊んでいました。
一番後ろの席からそっと様子を見ていた私も、よかったなー、お母さんやったね!と心の中でガッツポーズでした。
しかし、ホッとしたのもつかの間、今度はベビーカーに乗った赤ちゃんがぐずり始め...。
前方に座っていたお年寄りも耳をつんざくような甲高い泣き声に驚いたのか、何度も何度も振り返って赤ちゃんの様子を覗き込んでいました。
お母さんはいたたまれない様子で降りる準備を始めました。
そのとき、止まったバス停から高校生がたくさん乗車してきました。
学校が早めに終わったのでしょう。
20人くらいが乗り込んできました。
バスが一気に混み、車内はぎゅうぎゅう。
赤ちゃんの泣き声のボリュームは上がる一方。
車内の空気がかなりピリピリしていました。
すると突然、赤ちゃんの近くに立っていた学生が鼻歌を歌い始めたのです。
それだけではなく、周りにいたほかの学生も一緒にハモり始めたのです。
中年の私には分からない曲でしたが、きっと最近の子どもに人気の曲なのでしょう。
ノリが良くてテンションが上がる楽しい歌でした。
赤ちゃんも楽しい雰囲気に気分がよくなったのか、ピタッと泣き止み、不思議そうな顔で高校生のお姉さんたちを見上げていました。
上の男の子はノリノリになり、お姉さんたちと一緒に歌い始めました。
車内は一気に優しい雰囲気に包まれました。
そこへ車掌さんが突然マイクで「みなさん、楽しい歌声をありがとうございます」とナイスな一言。
そのお母さんは本当に安心したような表情で「ありがとうございます」と高校生たちにお礼を言いながら降りていきました。
最近は何かと暗いニュースが多いですが、日本の若者は心優しくてまだまだ世の中捨てたもんじゃないな、と本当にうれしくなった出来事でした。
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