<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りゅうこ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:先日、誕生日を迎えました。充実した40代を送りたい!
新型コロナが世界に蔓延した2020年の話です。
当時、娘が通う小学校のママ友同士でつながったLINEグループで、コロナへの恐怖を語り続けるママさん(40代)がいました。
トーク内容としては「子どもがコロナになったらどうしよう!」「重症化したらどうしよう!」「夫の仕事がなくなったらどうしよう!」といったものです。
「どうしよう」となる気持ちは分かるのですが、10人もつながっているLINEグループです。
毎日、昼夜関係なく、何時間も語り続けるのは、はっきり言って異常の一言。
これまではずっと友好的だった他のママさんたちも「触らぬ神に祟りなし」とスルーするような状態でした。
しかし、コロナへの恐怖にとりつかれたママさんは、自分を客観視することができなかったようで、トーク画面に同じような文面を投下する日々が2カ月以上続きました。
そんなある日、小学校で運動会の開催が決定しました。
感染症対策で、学年ごとに分けて午前中のみ行うといった規模を縮小したものです。
それに対して、コロナ恐怖症のママさんは「こんな時期に運動会なんて信じられない!」「先生は頭がおかしい!」「誰もコロナの恐怖が分かってない!」と騒いでいました。
ずっと耐えてきた私もこれにはイライラしました。
子どもの運動会に対する想いや、先生の苦渋の決断を知っていたからです。
だから、暴走するママさんに「そんなことばかり言ってても何も変わらない」と、初めて苦言を呈したのです。
他のママさんたちは無反応でしたが、内心は「ああ、言っちゃった~」みたいな感じだったと思います。
なぜなら、すぐに感情的になるママさんに対しての苦言は、まさに火に油を注ぐ行為だったからです。
しかし、皆の予想に反してママさんは沈黙しました。
私の苦言に一切の反応を見せず、トーク画面でぱったりとしゃべらなくなったのです。
肩透かしされた気持ちになりながらも、「怒らせてしまったな、まぁ縁が切れても良いか~」なんて思っていました。
度肝が抜かれる出来事が起きたのは、それから1カ月後のことです。
小学校から「○○ちゃんのお母様から1000枚のマスクが寄付されました。ありがとうございます」といった内容のプリントが配布されたのです。
その○○ちゃんのお母様とは、あのトーク画面でぱったりとしゃべらなくなったママさんでした。
当時はマスクが品切れ状態で、みんながマスクを求めていたので、本当にありがたいことでした。
お礼を伝えたくてスマホを手にすると、トーク画面には「これでどうよ」と私に勝ち誇るママさんの一言が!
彼女は「言葉では何も変わらない」と言った私に、見事、行動で示してみせたのです。
白旗をあげるしかない私は、その手作りマスクをつけた我が子の写真を送って「ありがとう」と返しました。
こんなことってあるんですね。
「どうしよう!」と何時間もしゃべり続けるエネルギーを行動に変えた。
人間の執念を見せつけられた、忘れられない出来事です。
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