<この体験記を書いた人>
ペンネーム:はおり
性別:女性
年齢:59
プロフィール:専業主婦。子どもは3人、皆、成人してそれぞれ独立しています。趣味は猫と遊ぶことと断捨離。
かつて大勢の方が亡くなった飛行機事故、その後に体験した不思議な出来事を今でも忘れることはありません。
私は20代のころ、某空港のインフォメーションカウンターで仕事をしていました。
カウンターは空港のロビーの中央にあり、仕事は各航空会社の搭乗カウンターや空港内のレストラン、土産物店などの場所案内、発着案内など、多岐にわたるものでした。
いつものように忙しく働いていたある日のことです。
某航空会社の飛行機の到着が遅れているとの情報が入りました。
そういう場合、延着理由も同時に知らせてくれるのですが、そのときは説明がありませんでした。
私は特に何も思わなかったのですが、何やら空港の職員がバタバタとし始めました。
なんとなく不安になって、同僚と「どうしたんだろう?」と話していました。
そして、墜落事故の情報が入ってきたのです。
それから後のことは、走り回りバタバタと仕事をしていた記憶しかありません。
空港の雰囲気も、各航空会社の職員の人も、暗く沈痛な表情で過ごしていました。
しかし業務はありますので、それでも皆、懸命に働いていました。
そして、ちょうど1カ月が過ぎようとした頃でしょうか。
私は搭乗口までお客様を案内していました。
無事に搭乗が終わり、搭乗ゲートを閉めて某航空会社の職員と少し話をしていたときでした。
さっき閉めたばかりの搭乗ゲートが勝手に開いたのです。
搭乗ゲートの扉はかなり重く、風が吹いたくらいでは勝手に開くことはありません。
ちなみに、その日は風など吹いていませんでした。
私は、え! と声を上げ「なんか、怖いですね」と職員の方に言いました。
すると、その職員の方が言うには...。
「最近多いのよ。ここの搭乗ゲートだけでなく、到着ゲートなど数カ所のゲートでも閉めたはずの扉が、いつの間にか勝手に開くことがあるの」
私は他の職員の方たちと顔を見合わせました。
そのうち、誰が言うこともなく、あの大事故の幽霊が空港に出るという話が出ました。
到着するはずだった人たちの無念の魂が空港に...という話でした。
私は心の中で手を合わせました。
しかし、しばらくするとそういううわさも消えていき、搭乗ゲートが勝手に開くこともいつの間にかなくなっていました。
単に扉の開閉部分の劣化だったのかも知れませんが、今となっては知りようもありません。
その後、私は25歳で退職して空港を離れました。
あれからずいぶん月日がたちましたが、忘れることはないと思います。
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