小学生の私が見た「不思議な黒い霧」。祖父は「何も気にしなくていい」と言い残して亡くなったが...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ゆらら
性別:女性
年齢:44
プロフィール:シングルで2人の子どもを成人まで育て上げたワーママです。

小学生の私が見た「不思議な黒い霧」。祖父は「何も気にしなくていい」と言い残して亡くなったが... 82.jpg

10歳の頃に体験した話です。

私の父は7人兄弟で、7人全てが男でした。

私が産まれたとき、女の子が欲しくてたまらなかった父方の祖父(当時50代)はそれはもう喜んだそうです。

生後間もない私を連れて友人知人の所にお披露目してまわったり、まだ何も分からない私のためにおもちゃや洋服を買いあさったり。

父や母が「もうこれ以上甘やかさないで!」と怒るぐらいかわいがってもらっていました。

ただ、ある日から私に「不思議なもの」が見えるようになってきました。

私が9歳ぐらいの頃から祖父の周りに黒い影がまとわりついているのを目にするようになったのです。

頭からつま先まで薄い黒い影が祖父を包み込むように見えていましたが、気のせいかと思い、何だか怖くて誰にも言えず、約1年を過ごしました。

その間もずっと黒い影がまとわりつき、日に日に黒さが濃くなってきているように感じました。

相変わらず祖父にかわいがってもらう日々を過ごしていましたが、ある日祖父が出かけるときにこう声をかけてきました。

「しばらく旅行に行ってくるから。帰ってきたら何でも好きなもの買ってあげるから、いい子で待っててね」

そのとき、祖父の周りの黒い影は、祖父の顔も見えなくなるほど濃くなっていたので、とても怖かったのを覚えています。

祖父が出かけてから約1週間後、学校で授業中に先生が「今からお母さんが迎えに来るから帰りの準備しなさい」と言われ、しばらくしたら母が迎えに来たので一緒に帰りました。

自宅に帰るかと思いきや、連れてこられたのは病院でした。

病室に入る前に母から「おじいちゃんが病気で入院していて、今危険な状態だから励ましてあげてね」と言われ、訳が分からず病室に入ると、部屋中に真っ黒な影が渦巻いていました。

怖くて入るのをためらっていましたが、母に促されて病室に入ります。

耳鳴りがして気分が悪くなりましたが、衰弱した祖父の姿を見てできる限りの励ましを一生懸命していました。

しかし、私が到着して5分ほどすると、祖父は私の手を取り「お迎えが来たからもう行くな。お前は気にしなくていいから元気に大きくなるんだぞ」と言い残し、息を引き取りました。

私に黒い影が見えていることを、祖父は知っていたのかもしれません。

「気にするな」の言葉が引っかかっています。

しかし、あの影は祖父の病気を知らせていたのかなと思うと、もっと早く影の存在を誰かに話していたら、病気の早期発見ができていたら、62歳という若さで亡くなることはなかったかもしれません。

後悔すると共に、あの影が死神のようなものだったとしたら怖いなと思う体験でした。

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