<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:招き猫はお客さんを呼んでくれるのだから、外に向けるのが正しいのではないでしょうか。
33歳の時、ちょっと変わった就職希望の方と面接でお会いすることがありました。
当時、小売りの仕事をしていた私は、それまでの頑張りを認めてもらい、店長として店を任されていました。
日々の売上管理や在庫管理、衛生管理などお店に関するあらゆる管理が店長の仕事で、パートさんの面接も大切な業務です。
ある日、パートさんの欠員が発生したので募集広告を出したところ、40歳の女性からの応募があり、面接でお会いすることになりました。
この方ですが、何を質問してもあやふやでハッキリしない答え。
志望動機を尋ねても「まぁ、なんとなく...」です。
内向的な性格で、口下手なタイプなのかもしれません。
これから従事しようとしている仕事は客商売です。
仮に裏方メインの業務だったとしても、まるっきり接客がないわけではありません。
そして、志望動機がなんとなく...では本当に仕事がしたくて面接に来たんだろうか?と思ってしまいます。
残念だけど縁はないかな、と判断した私は面接の最後に「何か質問などはございますか?」を切り出しました。
「特に質問がなければ...」と挨拶をし始めたとき「あの~、ひとついいですか?」と言い出しました。
「どうぞ」と伝えると「実は私、ある団体に所属しておりまして」と切り出してきたのです。
「お店の入り口にある大きな招き猫ですが、お店の外を向かせるのではなく、店内に向けるべきです」
それが言いたいこと?
私の店には、近くの看板店が発泡スチロールで作った、高さ2メートルのとても大きな招き猫がありました。
その大きさから、ちょっとした店のシンボルになっています。
「招き猫の向きがおかしいと運気がどんどん下がりますよ」
そう言った後、女性が自分のバッグに手を差し入れ、何かを取り出そうとしたときに、本能的に「やばい!」と感じました。
「お仕事と関係のない話になってしまいましたので、面接はこれで終わりにします」
女性に伝えて面接を終了しました。
後日、預かった履歴書と不採用通知を返送。
特に何事もなく、不思議な女性との関わりはそこまで。
それにしても、あのとき女性はカバンから何を取り出そうとしたのか、そしてどんな団体に所属している方なのか。
たまに思い出すと思わずゾッとしてしまいます...。
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