<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:暑くても寒くてもビールはやっぱり美味しいと思う52歳です。
30年ほど前、ファミリーレストランでアルバイトをしていた時期がありました。
ディナータイムから深夜の閉店時間までの勤務が多かったため、21時以降、閉店に向けての片づけや清掃などの作業も担当していました。
閉店業務で肝心なのが、ビールサーバーの洗浄です。
生ビールを注ぐ機械を分解、洗浄した後、ビールタンクにつながっているチューブに専用の小さなスポンジを通して、チューブ内を洗浄します。
覚えてしまえばなんてことのない作業ですが、これをやらないと大変です。
生ビールに変な臭いが付いてしまい、美味しくなくなってしまうのです。
ビールは高単価商材なので、たくさん注文してもらえれば売上も上がっていきます。
そのため、しっかりサーバーを洗浄して、おいしい生ビールを提供しよう!と、まるで会社全体での合言葉になっていました。
ある日、サーバーの洗浄作業を任されることになり、役付きのない一般社員の方(25歳)に手順を教わることになりました。
この社員さん、人当たりはとても良いのですが、多少いいかげんさが目立つ方で、店長やチーフからお叱りを食らっている場面をしばしば見かけていました。
それでも社員ですし、私はアルバイトです。
社員さんからの説明をしっかりメモに取り、手順を覚えました。
社員さんからは「洗浄直後のビールは水っぽくなるので、最初のジョッキ1杯分は廃棄すること。さらに2杯目をジョッキに注ぎ、味見をすること」と教わりました。
仕事中に飲酒していいの?と思いましたが、これも美味しいビールを提供するためです。
指導の通り1杯目は捨て、2杯目を注ぎ、味見をします。
うん、美味しい! あまりの美味しさに一気飲みしたくなる欲望を堪え、半分ほど飲んで廃棄しました。
そうしてサーバーの洗浄作業を毎出勤日に行っていたところ、チーフ(30歳)に呼び出されました。
「仕事中に酒なんか飲んでるんじゃない! 洗浄後の味見ならお冷のグラスで十分だろ!」
と怒られてしまいました。
分かりやすく不満をあらわにした私を見て、チーフは「洗浄のやり方、誰に教わった?」と聞いて来ました。
社員さんに教わったことを告げると「はぁ...あいつか...」と溜息を漏らすチーフ。
「今度からはお冷のグラスでやるように」とだけ言われました。
後日、他の人に確認すると、やはりお冷のグラスが正解でした。
社員さんが、この件でチーフからお灸を据えられたかどうかは知りませんが、どうしてお冷やのグラスの部分をジョッキに変えて教えたのかは謎です。
まさか、社員さんがサーバー洗浄したときは、ちゃっかり生ビールをタダで飲んでいたのでしょうか?
いずれにしても、下の者に指導するときは正しいやり方を教えてください!とモヤモヤした記憶しかありません。
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