<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:子どもの時にTVで見た「もしものコーナー」のコントのような出来事に遭遇して困惑してしまった52歳です。
10年ほど前の話になります。
当時40歳の私と35歳の妻、2人で遠出したときのことです。
出先が大きな街であったこともあり、ランチ営業をしている居酒屋さんがたくさんありました。
そんな中、なんの気なしに立ち寄ったお店に、やたらに威勢のいいおばさんがいました。
「看板娘」ならぬ「看板おばさん」といったところでしょうか。
恐らく70歳ぐらいで、とにかく声が大きく、加えて言葉が少々乱暴な方でした。
先客がお酒の追加を注文しようと「すみませ〜ん」と声をかければ「今忙しいんだよ! 見りゃ分かるだろうが」と返すおばさん。
おいおい、それはダメでしょう。
モヤモヤするものを感じつつ、改めてお店選びをするのも面倒に感じた私たち夫婦は、さっと食べてさっと飲んで出よう、ということにしました。
席に座るや否や、おばさんは「注文は?」と尋ねてきます。
「メニュー見てからでもいいですか?」
「こっちは忙しいんだよ? 早くしておくれよ」
席に着いたばかりの私たちに言いたいことを言って、その場を立ち去るおばさん。
「は?」と言いたい気持ちを抑え、生ビールとおにぎり、お味噌汁、そして簡単なおつまみを1品注文しました。
やがて、生ビール、おつまみと順に運ばれ、最後におにぎりとお味噌汁が私たちの前に運ばれてきました。
早速、届いたばかりのお味噌汁をひと口すすると「ん? 冷たい」
インスタントのお味噌汁を水で溶いたかのように冷めたものでした。
いやいや、いくらなんでもこれはありえない。
これについては文句を言わせてもらおう。
とりあえず、注文したものは全て平らげ、お会計に向かう私たち。
請求された金額をきちんと支払った後、お味噌汁のことについておばさんにクレームを入れました。
するとおばさんは「あ~。はいはい」と、そんなのいつものことだよ、と言いたげな素振りを見せてきました。
そして「値段、引いときゃいいんだろ?」とレジから10円玉1枚を取り出し、釣銭トレーに置くのでした。
悪びれることもなくその場を立ち去り、再び悪態をつきながら料理を運ぶおばさん。
店を出た私と妻は、お互いに顔を見合わせ「だめだこりゃ」と思わずつぶやきました。
その後もその街には何度も訪れています。
おばさんのいるあのお店も営業していますので、それなりに客足もあるのでしょう。
あのような体験をさせてもらった私たちは、あれから一度もお店に行っていません。
ただ、あのときの10円玉をもらってくるのを忘れたことは、お店の前を通るたびに思い出します。
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