<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女性
年齢:58
プロフィール:3匹のネコと夫と一緒に海辺の街でのんびり暮らす普通の関西のオバちゃんです。
夫(54歳)はどうかと思うほど、相手の立場で物事を考えることができない人です。
20年前のある日、私たちが30代後半の頃です。
夫は「はい、プレゼント!」と、ハンドメイドの赤い貝殻のネックレスを持って来ました。
そんな真っ赤なアクセサリー、それまでつけたことなどなかったのに、何を思って夫はこれを選んだのだろう? そう思いつつも、やはりプレゼントはうれしいものです。
「ありがとう!」と言いながら早速ネックレスをつけ、満足そうに鏡の中で微笑む自分がいました。
それからも夫は頻繁にアクセサリーをプレゼントしてくれるようになりました。
記念日でもなんでもない日にです。
どちらかといえば物欲がなく、旅行が趣味の私は、そんなお金があれば一緒にチケットを買って旅行に行きたいと思っていました。
そのため、黄色のビー玉や紫のプラスチックでできたアクセサリーが増えていくのに比例して、夫に対するストレスも溜まっていったのです。
ただ、正直に気持ちをぶつけるのはロマンチックではないと思って我慢していました。
そんな中、あるブレスレットを私が気に入っていないことに気づいたのか「こっちでもええけど」と、同じデザインの色違いのブレスレットを見せてきたのです。
え? どういうこと?「そっちは、誰にあげるの?」と尋ねると「お姉さん」と夫。
義姉はすごくボーイッシュなタイプなので、このプレゼントは「女らし過ぎない?」と思ったのですが、あまり深くは考えませんでした。
それからプレゼントは2色から選べるようになり、少しは自分の趣味が尊重されるようになったものの「このまま義姉とお揃いが増えていくの?」と別の意味で憂鬱になりました。
ところがある日、夫が同じデザインで色違いのアクセサリーを大量に持ち帰って来たのです。
後で発覚したことなのですが、夫は浮気をしていました。
しかも浮気相手は、なんと同じアパートに住む(!)シングルマザー。
その女性は一夫多妻制が許されている文化圏の方でした。
そういえば以前、夫が珍しく文化的な話をしていたことがあります。
「ある一夫多妻制の国では、第一夫人に何かプレゼントをする場合は、同時に第二夫人、第三夫人にも同等のプレゼントをするんやて!」
そんな内容をうれしそうに語っていたことを思い出しました。
しかし、夫は大きな勘違いをしていることに気づいていません。
あくまでも渡すのは「同等」のものであって「同じもの」をプレゼントしろという意味ではないはずです。
浮気相手がすれ違いざまに私のアクセサリーを目撃したのか分かりませんが、自分と同じアクセサリーをしているのにショックを受け、プレゼントをそっくりそのまま返してきたようなのです...。
返されたものを家に持ち帰ってくる夫も相当のアホです。
私も夫の愛情がこもったプレゼントだと信じていたので、自分のアホさかげんに情けなくなり、しばらくヘコみました。
しかし、たとえ人生で最低最悪の不愉快なプレゼントだったとしても、捨てるのはもったいない。
私は大量のペアアクセサリーをフリーマーケットで売り飛ばし、売上金で餃子を食べ、胃袋と心の空洞を満たしたのでした。
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