性別:女
年齢:51
プロィール:家族との時間をこよなく愛する51歳フリーライターです。日常生活の中のちょっとしたことを中心にご紹介しています。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
◇◇◇
「ねーねー、面白いからこれ見てごらん」。
テレビを見ている夫から、一見優しいお誘い。でもこれ、私にとっては単なる迷惑行為なのです。
その理由は夫の「ザッピング」。夫はテレビに集中すると、なぜだかザッピングを始めます。楽しそうに見ているから大丈夫だろうと一緒に見ていると、次々とチャンネルを変えるのです。こちらが番組に興味を持てば持つほど、痛い目にあいます。
それでも、さほど興味がない時には笑顔でやり過ごす私。ですが、見たい番組のときはいわゆる「ガチギレ」状態に。なにせ、夫のザッピングのおかげで、聞きたい音楽や映画のワンシーンなどを見逃すのですから。
苛立つもう一つの理由は、「私はここにいます」という切ない自己主張です。一緒にテレビを見ているのにコレをされると、存在を無視されているようで傷ついたりもするのです。
そんなある日、ザッピング直後に夫が言い放った「テレビくらいで怒らないでね」というセリフ。これが私の復讐心に火をつけました。
家族の手前、直接対決はグッと我慢。ひそかに妻ザッピングプロジェクトを始動し、「仁義なき戦い」が始まりました。
家族を巻き込むのはNG。そのためのルールとマナーを策定しました。
ルールはシンプルに、「夫がザッピングを始めたら、私もザッピングを始める」。これだけ。
マナーは2つ。私は怒らない&夫の「ガチギレ」は回避すること。夫にガチギレされるのは精神的にしんどいですから。ということで、夫が3番目くらいに好きそうな番組をターゲットに決めました。
その番組はカラオケバトル。歌の後に点数が表示されます。しかも、じらした感じで。このタイミングが私の復讐ザッピングにバッチリ。点数が発表される直前にチャンネルを変えてみることにしました。
まずは、一緒に番組を楽しんでいる『フリ』をして、笑顔で夫の隣に座ります。油断させてからしれっとザッピング。
その時の夫の顔は、まさに「鳩に豆鉄砲」。無言の表情からは「ナゼ変えた?」というセリフが今にも聞こえてきそうでした。
私はそこで一旦その場を離脱。用事を終え再び夫の元へ。また、笑顔で夫の側に座り、やっぱり同じタイミングでザッピング。
すると今度は明らかに不機嫌そう。野太い声で「何やってるの?」と聞いてきます。待ってましたとばかりに、「テレビくらいで怒らないでね」と私は夫にブーメランをお見舞いです。
途端に夫は超不機嫌な様子となり、ベランダでの喫煙タイムに突入しました。私はというと、「怒れ怒れ~」という気持ちと、「まさかのガチギレ?」という不安が交錯したような気持ちで夫を待ちました。
その後部屋に戻った夫は気を取り直した様子。何事もなかったかのようにテレビを見始めました。しかし、リモコンをしっかりと握りしめたまま。
そして次の瞬間、「嫌なものだな」とポツリと一言。これは紛れもなく夫の敗北宣言&ゴメンナサイの証。この瞬間、私の勝利が確定し、思わずガッツポーズです!
こんな風に始まったアラフィフ夫婦のザッピング戦争は、私の完全勝利で幕を下ろしました。
しかし、これ以降も夫のザッピング癖は健在。ですが、「またやっちまった」という夫の顔からは反省の色が見え隠れしています。きっと、私たちはずっとこのまま戦いつづけるのでしょう。
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