<この体験記を書いた人>
ペンネーム:大家ぽん子
性別:女性
年齢:65
プロフィール:65歳主婦です。1歳上の夫と猫と暮らしています。主婦、時々ヘルパーです。
65歳の主婦です。
10年ほど前のこと、今の職場の前に少しだけ働いていたヘルパーステーションで、いまだに納得できないサービス残業がありました。
そのころ、私たち主婦の家事能力が活かせる「生活援助」のヘルパーとして働くのが地域で流行りました。
そこで「私もやってみよう!」と思い立ち、研修を受け、地域で少し有名なヘルパーステーションで働くことに。
若い方が立ち上げたステーションで、利用者さんに寄り添った支援を売りにしていました。
和気あいあいとした雰囲気はとても良かったのですが...。
仕事にも慣れてきたある日、利用者さんが体調を崩して入院することになったのですが、その方の飼っていた飼い猫の行き先がないと問題に。
身寄りも遠方に暮らしている上、疎遠でとても猫を頼める状況ではなかったようです。
さあ困った、とヘルパーステーション全体で会議をしましたが、そこで私に白羽の矢が立ったのです。
「ぽん子さん、猫好きですよね」
「はい」
「引き取り先を見つけるまでの間、ご飯をあげてもらえませんか?」
施設長さん直々のご指名、当然仕事だと思って請け負いました。
その日から毎日1回、猫にご飯をあげ、水をかえ、猫トイレをかたづけ、ついでに飛び散った猫砂も掃除して...。
そうした業務を綴った日報を上げようとすると「あ、日報はいらないですよー」と。
「あれ?」と疑問に思っても後の祭り。
その分の給料は出ていませんでした。
働いて間もなかったため「これ、ボランティアだったんですね」くらいのことしか言えません。
当時は私の知識も少なく、ヘルパーがペットの世話をしてはいけないことも知りませんでした。
簡単に説明すると、ヘルパーが生活を幇助するのは依頼があった本人のみで、ペットは対象外なのだそう。
今では条件によってはできる場合もあるようですが、当時はダメでした。
ご飯をあげに行くたびに、足元にスリスリしてくる猫が不憫で放っておくわけにはいきません。
しかし、引き取り手が見つかるまでの半月以上モヤモヤしました。
そして、施設長さんからは丁寧にお礼を言われましたが、頼んだときは「猫が好きならお世話ができて嬉しいでしょ!」くらいの気持ちだったと知りました。
いくら私が猫好きでも、性格も分からない、予防接種をしているかも分からない、よその家の猫は怖いですよ...。
その後もたびたび、利用者さんのため、という都合のいい言葉を使ったサービス残業が発生してうんざりしたので、そこでの仕事は辞めました。
10年たった今でも、そこのヘルパーステーションは人気なようです。
「その人気は、責任感のあるスタッフの善意のサービス残業で成り立っているのかしら?」
そう思うと、何ともモヤモヤムカムカするのです。
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