<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くもりのち晴れ
性別:女性
年齢:65
プロフィール:78歳の夫と2人暮らしの会社員です。
2022年春、40代の長女が17年間、我が子のようにかわいがっていた老犬のレオンが旅立ちました。
新型コロナウイルスが流行する前は、関東に住む長女の自宅を訪れることも多々ありました。
娘の自宅に行くと、レオンは私のかたわらを離れず、監視するようにいつもくっついていました。
私が椅子に座れば、首が痛くなるほど私を見上げ続け、しばらくすると膝を占領していました。
まだ、私の母が当時60代で健在だった頃、40代後半だった私と20代の長女、そしてレオンでキャンプ場に遊びに行きました。
母は孫を見るような優し気な眼差しをレオンに向けていました。
レオンが母の膝から飛び出し、草原を嬉しそうに駆け回る姿が目に焼き付いています。
そんなレオンも、歳を重ねるごとに歩くのを嫌がるようになり、散歩中も抱っこをせがみ、カートを購入する羽目になりました。
ペット入店禁止のお店で買物や食事をするときは、長女の夫や私が交代でレオンともう一匹の愛犬スワンと待つ羽目になります。
ママ(長女)が見えなくなると世も末のように悲しみ、細い声で泣き続けるのでした。
足が弱かったレオンを連れて、階段のある場所への外出や自宅の2階に上るときは、長女が抱いて移動していました。
運悪く階段から落ちて長女が骨折したときも、必死に庇ってもらったレオンは無傷で、痛がる長女を心配そうに眺めていたそうです。
レオンが体調を崩したときは、栄養計算をしながら、食事療法をしていました。
いよいよその食事も摂れなくなったとき、獣医さんから「延命治療をしますか?」と聞かれたそうです。
長女は、レオンをこれ以上苦しませたくないと断りました。
世間がオミクロン株の蔓延で右往左往する中、レオンは17年の生涯を終えました。
長女からLINEで送られてきた火葬場の写真を見ると、煙突から立ち上る煙が大きなハートを描いていました。
長女は「これは、もう泣かないでっていうレオンのメッセージだね」と電話口で大泣きしていました。
私は「きっと『ありがとう! とっても幸せだったよ』と言っているのよ」と答えましたが、涙を堪えきれませんでした。
それから2日後、関西に住む我が家の空をふと見上げると、大きなハート型の雲が浮き、その後ろにレオンに似た形の雲もありました。
単なる偶然とか、たまたまそう見えただけかもしれません。
だけど私は、少し遅れて会いに来てくれたのだろうと勝手に解釈して、また涙ぐみました。
レオンの仏壇は、獣医さんや犬友の人たちから、たくさんの花束が送られてきて華やかだったそうです。
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