「私の頑張りが足りていない?」...介護と仕事に疲れた私を救ったヘルパーさんの言葉

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:yumekafu
性別:女性
年齢:64
プロフィール:今、ウォーキングにはまっています。ウォーキング中にひらめきやアイデアが浮かんでくるので、それが楽しみで頑張っています。

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11年前、私(当時53歳)は勤めていた会社を辞めて、本格的に両親(当時各87歳)の介護を始めました。

始めは両親の症状も軽かったので、私が2人の世話をしていたのですが、徐々に私のできないことが増えて、ヘルパーさんにお願いする時間が増えました。

さらに9年前、自宅でできる仕事を始めたせいで、土日も忙しくなりました。

そのため平日だけでなく、土日もヘルパーさんに入ってもらうよう相談しました。

母のケアマネのNさん(当時50代)はすぐに受け入れてくれたのですが、父のケアマネのTさん(当時40代)がなかなか承諾してくれませんでした。

「土日はヘルパーさんたちの割り振りが難しいので、できたら家族でやってほしいです。まずは家族で頑張ってください。それでも無理なときはお手伝いしますので」

そんなつれない返事だったと記憶しています。

「頑張りが足りないですよ」と言われている気分でした。

「やってみて難しいと分かったからお願いしているんです。土日の仕事も増えているので、ぜひ土日のサービスを入れてほしいんです」

「土日も仕事をする必要がありますか?」

食い下がったのですが、そんなことを言われてしまいました。

私は、介護をするために勤め先を辞めて、これからの生活のために自宅での仕事を選びました。

その事情を理解してもらえないことにがっかりしてしまいました。

「私にはこの仕事が大切です。始めたばかりのこの仕事をあきらめたくないんです」

そう言いたいのに言えなくて、モヤモヤが募るばかりでした。

Nさんに相談すると、すぐにTさんとNさんと私とでの話し合いの場を作ってくれました。

そのとき、Nさんが言った言葉は忘れられません。

「家族さん(私のこと)はよく頑張っていますよ。ご両親の介護を1人でするのはかなり大変です。それも2人の食事は全て家族さんが準備しているんです。介護をしている家族を助けるのも私たちの仕事だと思いますよ。もし、そちらでヘルパーさんが足りないのであれば、土日だけうちのヘルパーさんを派遣してもいいですよ」

私の思いを代弁してくれたNさんの気持ちが嬉しくて、胸のモヤモヤがすっきりしていくのを感じました。

そうそう。私は介護を頑張っています。でも、生活のために仕事もしないといけないんです。決して介護をなまけようとしているんじゃないんです。

そう心の中で訴えました。

Tさんは、Nさんの話を聞いた後しばらく考えていましたが、「もう一度ヘルパーさんの割り振りなど考えてみます」と言ってその日は帰りました。

そして翌日、「私たちも努力してみます」と土日のサービスを引き受けてくれたのです。

私は、Tさんが考えを変えるのは難しいかなあ...と思っていたので驚いてしまって、思わず「本当にいいんですか?」と念押ししてしまいました。

おかげで私は、自宅で仕事をしながら両親の介護をすることができました。

父(享年96歳)は2年前に、母(享年98歳)は今年初めに亡くなるまで、介護のプロであるヘルパーさんたちに優しく丁寧に看てもらって、本当に幸せだったと思います。

私の気持ちを代弁してくれたNさんにも、土日のヘルパーさんの割り振りを頑張ってくれたTさんにも、どちらにも感謝でいっぱいです。

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