「もし息子が噛まれたら...」ご近所さんの愛犬がガブリ! 痛い、けどどうも言い出しにくくて

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ぴっぴ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:小学生高学年と低学年の2人の子どもを持つパート主婦です。

「もし息子が噛まれたら...」ご近所さんの愛犬がガブリ! 痛い、けどどうも言い出しにくくて 59.jpg

10年ほど前に住んでいたマンションでの話です。

同じフロアの角部屋に、60代くらいのご夫婦が小型犬2匹と一緒に住んでいました。

当時、うちの長男はまだ赤ちゃんだったので、息子と外出するときなどにこのご夫婦に会うと、いつも「かわいい赤ちゃんね〜」と笑顔で話しかけてくれて、お子さん好きの優しい方という印象でした。

「子どもが小さいと大変でしょう」

おすそ分けといって果物やちょっとしたおかずをいただくこともあり、とてもありがたい存在でした。

このご夫婦が飼っている犬は、ご夫婦の穏やかな性格とは正反対で、いつもキャンキャンと興奮しているタイプの小型犬。

正直、いつ寝ているんだろうと思うくらい、四六時中鳴いていました。

廊下を誰かが通った気配を感じると「キャンキャン!」、昼はもちろん「キャンキャン」、そして夜中にもいきなり「キャンキャン!」

最初はびっくりしましたが、元気な犬なんだな〜、むしろ誰かが廊下を通るだけで気づいて吠えるなんて番犬みたいに頼りがいがあるな、と思っていました。

ご夫婦からは「いつも犬の鳴き声がうるさくてごめんね」と言われていましたが、「私、犬が好きなので、気にならないですよ〜。気にしないでください」と伝えていました。

そんなある日、おすそ分けをいただいたのでそのお返しを渡すため、抱っこひもに入れた息子とともに角部屋のおうちのインターフォンを鳴らしました。

ドアが開くと、いつものにように犬が2匹が勢いよく飛び出してきて、ワンワン吠えながら私の周りをまわっていました。

私は気にせず、奥様に「いつもありがとうございます」とお返しを渡していたのですが、そのとき、急に足に激痛が走りました。

なんと犬にかまれたのです。

「痛い! でも噛まれたって言ったら大ごとになりそう! いつもお世話になっているし、これくらい我慢できるし我慢しよう」

一瞬で頭を巡らせた私。

その後も笑顔で対応し、お礼を言ってうちへ帰りました。

家に帰ってすぐ噛まれた足を見てみると、くっきり残ったかみ痕から、血が...。

うわ...結構噛まれたんだな...とがっくりしました。

ただ、噛まれたのが私でよかったとも思いました。

これが息子だったら大変です。

そして、これからもご夫婦の家を尋ねるときは、必ず子どもは抱っこしようと誓いました。

その夜、私の噛まれた足を見た夫は、「かなり強くかまれたね。なんで、ご夫婦に言わなかったの?」と不満そうでした。

とっさにやせ我慢してしまいましたが、噛まれましたと伝えたほうがよかったのでしょうか。

でも、もう一度あの場面に戻っても、何も言えなかっただろうと思います。

どうすればよかったか、今もよく分かりません...

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