<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:小学生高学年と低学年の2人の子どもを持つパート主婦です。
子どもが小学校低学年だったときの話です。
時期は梅雨のさなか、学校から帰ってくる息子のスニーカーは、いつもしっとりと濡れていました。
面白がって水たまりに入ってしまうのか、靴下までぐっしょり濡れていることも。
毎日スニーカーを洗って、次の日の朝までに乾かすのはとっても大変です。
そこで、防水機能のある素材を使ったちょっとお高めのスニーカーを買いました。
以前からほしいと思っていたのですが、値段がなかなか高かったため手が出なかったのです。
その靴は黒に鮮やかな蛍光のラインが入っていて、当時の息子の好みにピッタリ。
靴を買った日には家の中で履いて「かっこいいーーー! 僕、これ気に入った!」と喜んでいました。
そして雨の日、さっそくこの新品の靴を履いて学校へ行った息子は、ニコニコで「雨に濡れないよ! すごい! 僕、これ宝物にする!」と、昨夜よりもっと気に入った様子。
私も濡れていない靴を見て、これで日々の靴洗いから解放されると上機嫌でした。
その後、息子はこの靴を履いて、スイミングスクールに行きました。
スクールが終わった頃に迎えに行くと、息子がスクールの職員さんと一緒に何やらうろうろしています。
眉毛が下がって、とても悲しそうな顔でした。
何かあったんだ! と気づき、「どうしたの?」と駆け寄ったところ、泣きそうな顔で息子が「靴がなくなっちゃったんだよ〜〜...」と言いました。
スクールが終わって息子が帰ろうすると、下駄箱に残っていたのは、記名されていない、息子の靴と全く同じ靴だったようです。
同じ靴ですが、少し汚れていたため、息子はすぐに自分のではないと気づいたとのことでした。
さらにこの靴、サイズは息子のものより1cmほど小さいもの。
きっと誰かが取り違えたのでしょう。
息子の靴は名前も書いてあるし、スクールに間違えたと連絡が来るはずです。
「きっと間違った子が気づいたら、すぐ間違えました〜ってスクールに連絡が来るよ。大丈夫だよ」と息子を励ましました。
泣きそうな目でなんとか「きっと戻ってくるよね...」と言った息子がかわいそうでした。
でも、この靴、結局見つからなかったのです。
名前も書いていたのに、気づかなかったのでしょうか? 結局1カ月たってから、息子には同じ靴を買い直しました。
この靴を履くとき、最初は失くなってしまった靴を思い出して切ないのか、複雑な表情をしていました。
でも、だんだんと慣れたようで、長く愛用してくれました。
息子はある程度、気持ちの整理がついたようでよかったのですが、私は長く引きずってしまいました。
買い直したことでお金がかかってしまったのもありますが「宝物にする!」といった息子の笑顔が忘れられないのです。
まさか履いて出かけた当日に取り違えられてしまうなんて、かなり辛かったはず。
また、こんな悪い考えも巡らせてしまいます。
「もしかして、自分のものよりサイズが大きくて新しかったから、あえて持っていったんじゃない?」
「記名してあった息子の名前をマジックで塗りつぶして履き続けたの?」
梅雨の時期になると、いつも思い出してしまいます。
小さいことと思われるかもしれませんが、いまだにイライラが収まりません。
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