<この体験記を書いた人>
ペンネーム:大家ぽん子
性別:女性
年齢:65
プロフィール:65歳主婦です。1歳年上の夫と暮らしています。手が足りない時だけ近所のヘルパーステーションで訪問ヘルパーをしています。
梅雨どきになると梅の季節がやってきますね。
コロナ禍でおこもり生活が始まった3年前、ふと青梅の醤油漬けを作ったところ、大変おいしくできました。
普通の梅干しよりも作るのが簡単なのです。
醤油と塩昆布をジップ付き袋に入れて、4つ割りにした青梅を入れるだけ。
付け込む時間も他の梅の保存食より短く、10日もすれば食べ頃になります。
カリカリとした歯触りがおいしい、立派な箸休めになりました。
その話を何の気なしに訪問ヘルパーのパート先でしました。
すると、80代の利用者さんが「うちの庭の梅も持って行ってよ」と立派な完熟梅をくれたのです。
聞けば、その年は梅の当たり年で、思いのほかたくさん収穫できたとのこと。
利用者さんが家で食べる分を確保し、ご近所におすそ分けをしたけれどまだまだ大量に残っていたそうです。
「ぽん子さん、梅が好きならちょうどいいわね」
そう言って、ヘルパーステーションにいる人の分までどっさりくれました。
その梅を使って、10年以上ぶりに梅干し作りに挑戦したところ、なかなかよいお味。
「梅がおいしいから、おいしい梅干しができましたよ」
利用者さんにも丁寧にお礼を言ったところ、次の年に事件は起きました。
「ぽん子さん、今年も梅もらってくれないかしら?」
それだけなら大喜びだったのですが、その利用者さんのお宅以外からも、いろいろなところから梅が集まるようになってしまったのです。
「ぽん子さん、梅が好きなんでしょう?」
同僚のヘルパーさん、梅を漬けた話をした近所の人、皆さんが梅をどっさりくれるのです。
どれもいいところを選んでくれたようで、傷のないきれいな梅ばかり。
好意を無下にできませんし、私は食べ物を捨てられない世代なので、せっせと保存食を作りました。
その結果、我が家だけでは食べきれないほどの梅酒・梅シロップ・梅ジャム、梅漬けが完成。
娘たちにも梅酒や梅ジャムをおすそ分けしましたが、限界はあります。
さらに、ご近所の方にはこのご時世、手作りのものをおすそ分けしていいものか頭を抱えてしまいました。
去年作った梅酒や梅漬けがぼちぼち食べごろを迎えていますが、実は一昨年前の梅干しもまだ食べきれておらず、冷蔵庫の片隅に鎮座しているのです。
いくら美味しいとはいえ、そんなに大量にバクバクと食べられるものではありません。
春先に梅の花が咲き、今の時期に実をつけ始めたのを見ると、もしかして今年も大量の梅が我が家にやってくるのかしら?
今年の梅の季節が少々憂鬱です。
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