<この体験記を書いた人>
ペンネーム:大家ぽん子
性別:女性
年齢:65
プロフィール:65歳の主婦です。1歳上の夫と猫と暮らしています。気づけば結婚生活も40年を超えました。
私が結婚したのは約40年前、1980年代のバブル期です。
当時は一般庶民も(今の感覚だと)派手な結婚式が当たり前。
「初めての共同作業」として、ウエディングケーキにナイフを入れる演出が田舎でも定番になっていました。
私たちも結婚式でケーキ入刀を行いました。
式本番、いよいよとBGMもグッと盛り上がり「ケーキ入刀です!」のアナウンス。
私たちはケーキにナイフを入れようとしましたが...。
「あれ? 切れない!」
ナイフが全く入りません。
夫は私に何度も目配せをしながら、ぐっ、ぐっと力を込めましたが、全く歯が立ちません。
ドラムロールがドロロロロロロ...と鳴り響く中、焦る私たち。
司会者はこちらをチラチラと見て、前の席の上司たちが「何があったんだ?」とザワザワし始めました。
(どうして切れないのー!)
少しナイフの場所を変えてみました。
でもカチッ! カチッ! と音がするだけでやっぱりケーキは切れません。
そのうち時間切れになり、ブワーっと足元からスモークが湧き上がる演出がスタート。
司会者は何事もなかったかのように式を進めました。
結局、ケーキは切れずじまい。
天井まで届くような5段重ねのウエディングケーキは、ほどんどがプラスチックでできた模型で、ナイフを入れる部分だけがクリームだったのです。
でも、式場の方から「どこを切るように」と指示はなかったような...。
私はともかく夫は几帳面なので、指示があったならば覚えているはずです。
ナイフを入れる場所はよく見れば分かったのかもしれませんが、クリームで境目を消した係の人が上手すぎて、まったく気づきませんでした。
この話を友人に話すとみんな大笑い。
友人たちが式を挙げた中で、気が利いた式場だと、ナイフを入れる部分のクリームの色をケーキ本体とは違う色に変えてくれたり、印がついていたり、間違いなく切るための工夫がされていたようです。
でも、私たちが体験したような「ケーキが切れない」トラブルは他にもあったはず。
焦ったカップルは私たちだけじゃないだろうと思うと、少しだけ安心しました。
時は流れ、ここ20年くらいの間に出席した結婚式では、ケーキカットをするケーキは全て本物でした。
模型のケーキもあったのかもしれませんが、入刀を失敗したカップルは見ていません。
式の最後には、デザート替わりに参列者に振る舞われ、味もなかなか。
幸せのおすそ分けのケーキを食べながら、「もう一度、入刀をやり直したい!」と心の中で思っています。
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