<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:41
プロフィール:夫(51歳)、小学生の息子の3人暮らし。共働き家庭です。
東京大空襲で親をはじめ家族を亡くした80歳の義母。
戦後の食糧不足の中、「農家は食べて生きていけるから」と、小学生の頃に遠縁を頼って東京から北海道の田舎に移り住んだ苦労人です。
そのため、その後何十年たっても全ての生活面で徹底した節約が基本。
もちろん、今の時代は昔に比べて本当に豊かです。
そんな時代に、物を長年修理しながら大切に使い続ける義母の姿は、帰省するたびに感心したり見習ったりするところがあります。
しかし、どちらかといえば仰天することの方が圧倒的に多いのです。
「海や川が汚れる」と義母は台所洗剤を一切使わないのですが、北海道という土地柄か、コロナ前にお盆やお正月に帰省していたときは、よくジンギスカンを大勢の親戚と食べていました。
そうすると食後、お皿もジンギスカンを作った調理器具も油でギトギトになりますよね。
それなのに、お湯を使うのさえ「贅沢。ガス代がかかる」と義母は言い、「ティッシュペーパーなんてもったいない」と油まみれのお皿の油の拭き取りもせずいきなり洗います。
そのため、洗い物を終えるのにものすごく時間がかかります。
卵の殻を捨てれば「畑の肥料になるのに、都会の人は卵の殻を捨てるなんて贅沢すぎる!」と怒られ、ニンジンの皮を剥くと「ニンジンの皮を剥いて食べるなんて聞いたことがない」と呆れられます。
私の義実家への帰省話を聞くと、友人も最初は笑って聞いていても、あまりの節約っぷりにドン引きしされます。
「私には無理! 二度とそんな家に行かないよ! よく行くね...」
そんなふうに同情されるほどです。
私は「帰省のときだけ!」「新しい話のネタがまたあるのね!」と、もうあきらめて割り切っています。
ただ、どうしても生理的に受け付けない義母の節約術が一つあります。
帰省時に、北海道の新鮮なお刺身を食べるのが恒例なのですが、義母は食後に少しずつ残った小皿の醤油を全員分新しい小皿に集めます。
そして、その集めた小皿の醤油は、次の食事で私に割り当てられるのです。
もう生理的に気持ち悪くて仕方がなくて、夫の協力も得て、義母に分からないよう内緒で捨てて新しい醤油を使っています。
「これがいわゆる嫁いびり?」と夫や義兄に聞いても、昔からこのような節約を徹底していたそうです。
義母には意地悪の感覚はないようで、「家長制度、男性優先」の考えが根強く、「女は男より下で当たり前」が口癖。
次男の妻の私の地位は義母によると一番下だそうです...。
実際、私は炊きたての湯気の立つ白いご飯も食べたことがなく、いつも仏前に供えた前日のカピカピのご飯か、夕飯なら朝や昼に炊いて黄色くなったご飯です。
「もう次は行かない!」と帰省のたびに思うものの、一年の半分が雪国の田舎で身体も不自由な高齢の一人暮らしの義母に「孫の顔を見たい」と言われると、仕方なく帰省してしまいます。
そして、醤油をお皿に集める義母を見て後悔...その繰り返しです。
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