<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ころちゃん
性別:男性
年齢:54
プロフィール:コロナが収束するまでは大人しくしておこうと思ったのですが、そろそろもっとがんばらなきゃいけないと思い始めた今日この頃です。
50歳のときに派遣先の職場で知り合った派遣の女性の話です。
彼女は当時58歳で、右も左も分からない私に、気軽に声をかけてくれました。
職場での仲間ができてほっとしたのも束の間、彼女が非常に面倒な人間だということが分かりました。
最初は人生の先輩からのありがたい助言として、素直に彼女の言葉に耳を傾けました。
しかし、すぐにそれらは個人的な好みや感性の押しつけに過ぎないことに気付きました。
しかも自分の考えの裏付けとして、やたらとセレブを引き合いに出すのです。
「この間お会いした〇〇の社長もそう言ってたわ」
誰もが知る有名企業の幹部とどうやって出会うのか知りませんが、彼女の言葉を信じるなら、大概の社長とは知り合いであるかのような口ぶりでした。
どうやら彼女は権威やブランドに過剰に価値を置くタイプで、派遣の職場で私を話し相手として選んだのも、単に私が四大卒だったのが理由のようです。
また、世の流れとずれているところもあり、例えば男尊女卑の思想も甚だしいものでした。
「男女平等なんて本当は違うの。男性が女性を守るべきよ」
まともに聞こえなくもありませんが、具体的に聞くと...。
「食事代は男性が全て払って当たり前」
「女性はキャリアなどにかまけず、子どもを産み家を守るのが当然」
「男女関係においても、女性が告白するなどもってのほか」
といった感じで、昨今のジェンダー問題など言語道断とのことでした。
さらに私を驚かせたのはこんな発言です。
「〇〇教の偉い方に教わったのだけれど、これは神様がおっしゃることだから仕方がないの」
一体どこの誰の教えか知りませんが、神様まで持ち出して時代遅れの思想を正当化し、反論を許さないのには辟易させられました。
また、一時的な派遣の職場にいるわりには、やたらと結婚前の看護師時代の武勇伝を吹聴してきます。
「看護師のお仕事はもうなさらないのですか」
そこまで言うのならとそう尋ねたところ、「もうしんどい」とのことでした。
「だって毎日決まった時間に仕事に行くなんて考えられない!」
よっぽど激務だったのか、仕事のことに触れると吐き捨てるように言いました。
彼女はこのとき離婚して独り身でしたが、20代前半で結婚した後、ほとんどの期間は専業主婦だったようです。
「自分は養われて当然」という考えが根底にあったようで、身勝手な言い方には嫌気がさしました。
また、マッチングアプリで婚活中と度々聞かされていましたが、ある日、いい人を見つけたと狂喜していたことがありました。
「素敵でしょう」
「一流大学卒で、神様も認める立派な企業に勤めているの」
写メを見せつけながら延々と繰り返しました。
「本当に良かったですね」
お祝いの言葉を何度も言わされ、やれやれこれでこの人ともおさらばと安堵しましたが、なかなか辞める様子がありません。
「まだお仕事、続けられるのですか」
「付き合ってみると、向上心のない方だったの」
相手を見つけてから1か月もたっていないはずなのに...そんなふうに付き合っては別れるを繰り返し、毎度のごとく「神様」の定めに合わないと溜息をつきました。
実際は愛想を尽かされて長続きしなかったようです。
職場でも積極的に彼女と会話を交わす人間はおらず、他の同僚からは「厄介な人に捕まってお気の毒」と遠回しに言われることもありました。
人が寄りつかない言い訳にも「神様」を持ち出す彼女ですが、単に持論の正当化のためで、矛盾だらけの発言にあきれるばかりでした。
果たして、現在の彼女は幸せになれたのでしょうか? やっぱり難しいかもしれませんね。
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