<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:60
プロフィール:2022年の6月で結婚28周年となります。我々の結婚式はなかなかに変わっていて、当時は物議を醸しました。
私達が結婚式を挙げたのは、今から28年前、1994年の6月でした。
ジューンブライドですね、と言われるのですが、実のところ6月生まれの妻(57歳)が、なんとか20代のうちに式を挙げたい、と急かされただけのことでした。
2人とも妙なところに凝り性で、結婚式は人並みにしたいけど普通にするのはいや、という妙なこだわりがありました。
「こだわりその1」は案内状です。
式場に任せてしまうのが一般的ですが、それでは気持ちがこもっていない、と考えたのです。
地元で有名な手漉きの和紙を買い求め、これをはがきに貼り付けて、プリントゴッコ(懐かしい!)で1枚ずつ印刷しました。
宛名も書道の嗜みのある妻が1枚ずつ毛筆でしたためました。
ここでなんとなく、私の地元でもないのに「地元愛」というテーマが生まれました。
次にこだわったのが、当時は当たり前だったケーキカットです。
「なんでケーキなの? 神前で式も挙げるのに...」
調べてみると、この辺りでは昔は新郎新婦で餅つきをする習わしがあったことを知りました。
「これだ!」となり、式場の方に無理を言い、妻の実家に眠っていた臼と杵を持ち込みました。
重量物の搬入なので、式場の方にかなり難色を示されましたが...。
そして餅をついたのに、引き出物に餅がないのはおかしい、と紅白餅を差し上げることにしました。
これも地元にこだわり、有名な求肥のお菓子を出す和菓子店に目をつけました。
普段は緑と白のお菓子ですが、無理を言って紅白で作ってもらいました。
お店の方は呆れながらも、めでたいことだから、と引き受けてくれました。
もう一つこだわりとして2人で共通していることがありました。
「キャンドルサービスは絶対にしない!」です。
まず、キャンドルサービスが誰のための演出なのか分かりませんでした。
さらにこちらの方が切実なのですが、必ずキャンドルサービスでふざける同僚がいることでした。
ろうそくの芯を湿らせて火が点きにくくしたり、エビのしっぽをかぶせておいたり、傍若無人な問題児がいたのです。
「式では唯一、お客さん全員を直にもてなす場面でしょ?」
「だよね、おもてなしをするべきだ」
ということで、お酌をするという結論に至りました。
当日は、大きなワインボトルを持って、さらにワインがダメな人のためにビールやソフトドリンクも用意して、万全の状態でテーブルを回りお酌させていただきました。
ある年の結婚記念日の夕食で、この話を娘(27歳)や息子(25歳)に話したのですが、反応は冷たいものでした。
「何やってんだか」
「式場の人はさぞ迷惑だっただろうねえ」
などとからかわれました。
まあ確かに、定番とまるで違うやり方は、ノウハウを持っているプロの方からすると顰蹙ものだったと反省しています。
しかし、自分たちのこだわりを形にした結婚式は、おかげで思い出深いものになりました。
一生にそう何度もあることではありません(私も妻も一生に1回となりそうです)し、自分なりのこだわりを通して、思い通りの式をしたことは良かったと思っています。
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