<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くあら
性別:女性
年齢:55
プロフィール:コロナ禍が終わり元の生活が戻りますように。
同世代の友人Aはとても几帳面な人です。
知り合って20年以上が経つのですが、お互いの子どもがほぼ同年齢だったので、すぐに仲良くなりました。
お互いの家を行き来し、今ではおしゃべりをしながらお互いの家で家事をする間柄に。
Aの家事力にはいつも驚かされます。
特に洗濯物について。
Aは、日が暮れないうちに洗濯物を取り込んだらすぐにたたみ始めます。
とりあえず山積みにして他のことをしてしまう私からしたら、その時点で感心です。
さらに、丁寧にたたみ終えた途端にアイロンを温め、一度たたんだものをアイロン台に広げてアイロンがけをするのです。
「ええっ! すぐアイロンがけするのになぜたたんだ?」
驚く私にAは「家族4人分の下着、靴下、Tシャツ、シャツ、ブラウス、など種類別にある程度分けてから、それぞれに合った温度設定でアイロンがけしたほうが効率が良い」と教えてくれました。
さらに「もうルーティンになっているから、いったんたたんだほうがやりやすい」と言います。
アイロンがけが苦手な私にとってはなんのこっちゃの説明でしたが、確かにAは口も動かしながら流れるような動作で次々にアイロンをかけていました。
すいすいとアイロンをかける姿が見惚れてしまうくらい美しく、トランクスや靴下にもアイロンをかけるAは、後光が差して見えました。
聞けば、Aの母も同じようにアイロンがけをしていたらしく、それを毎日見ていて真似するようになったようです。
こりゃ私の姿を見て育つうちの子は絶対Aみたいにはならないわな、と変なところで感心し、つい愚痴ってしまいました。
「いやあ、アイロンがけ大っ嫌いなんだよねー。洗濯物たたむのも嫌いだけど」
「持っておいでよ、今なら流れでかけてあげるよ」
Aからそう言われて甘えたことも何度かありましたが、さすがに下着は遠慮しました。
下着にアイロンがけしているのに家族が気づいたら、私に何かあったのかと気味悪がられることは間違いありません。
「シワが伸びると心までピーンとなった気がして気持ちいいよ〜」
ニコニコとよそんちの洗濯物までアイロンがけするAはまるで菩薩のようで、自分のシワシワな心にちょっと自己嫌悪すら覚えたのでした。
人気記事:母から届いた年賀状にイラッ! つまり...祖母の介護はまだまだ続くってこと?《認知症介護実録(31)》
人気記事:《漫画》なぜこんなことに? 美容師の夫の店で娘が親友に無料でトリートメントした結果<前編>
人気記事:《漫画》パート先で53歳同僚のいじめのターゲットに!? もう許さない! 立ち向かうと決意した日<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。