<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まるおじ
性別:男性
年齢:53
プロフィール:専業主婦の妻と大学生、中学生の子供2人の4人家族の父です。年明けから子どもの中学・大学のダブル受験で大忙しでした。
2021年の春から夏頃にかけて、当時18歳だった息子の話です。
部活に夢中で、勉強は後回しにしていた息子。
高校3年生になり、周囲が受験モードに入ってから慌てて勉強しだしました。
しかし、あえなく受験した学校は全滅...浪人生となることが確定してしまいました。
そうして予備校に通うことに。
最初は現役時代の勉強不足を反省し、真面目に通っていたのですが、ゴールデンウィーク前後に予備校で友人ができると次第にだらけ始めたのです。
そして、講義の後に友人と寄り道をして帰るのが遅くなり、家に帰ってからも夜遅くまでスマホでゲームをするようになりました。
見かねて私が注意しても逆ギレするばかりで全く態度は改まらず、成績もどんどん下がっていきました。
そして、成績も低空飛行のまま夏を迎えます。
予備校も夏休みに入ったのですが、なんと息子は夏期講習は受けずに、予備校の友人たちと旅行に出かける、と言うのです。
当然ながら私も妻もそんな状況ではないだろう、と猛反対したのですが、息子は全く聞き入れることなく旅行に出かけてしまいました。
私たちは怒りと情けなさで一杯になり、もう大学どころではないとあきらめの境地になっていました。
ところが、4日後に息子が旅行から帰ると、何やら神妙な面持ちで勉強もせず旅行に行ったことを謝り、翌日から別人のように猛勉強を始めたのです。
数日後、どうして急に勉強をするようになったのか息子に聞くと、旅先の旅館での出来事を話してくれました。
その旅館で働いていた少し年上の青年が、高校時代に息子と同じ部活をやっていたことで親しくなり、雑談をしているうちに、自分が浪人生であることを話したそうです。
すると、その青年が実は自分も浪人中に勉強が嫌になって、1人で旅行に出かけたことを明かしてくれました。
そして、そのままダラダラと旅先で住み込みでバイトするようになり、予備校を退学することになったそうです。
さらに、そのまま大学に行くことをあきらめてバイトを転々とし、今はそれをとても後悔しているよう。
「このままでは君も自分のようになってしまう、今からでも遅くないから頑張ればきっと大丈夫だ」と息子を励ましてくれたのでした。
その話を聞いて、このままではいけないと思い直し、考えを改めたと言います。
その後も息子はなかなか成績が上がらずやきもきしたものの、最後は何とか希望の大学に合格することができました。
合格後、息子はその青年に感謝を伝えようと連絡したのですが、残念ながらすでにその旅館を退職してしまっており、連絡先も分からないとのことでした。
いまだに連絡も取れないのですが、いつかお会いして親子で感謝の気持ちを伝えたいと思っています。
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