<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:2022年1月、55歳の私、長女28歳、次女25歳との間で起こったちょっと感動的な出来事です。
つい先日、流行りの占いがあるとかで、娘たちが私を占ってくれました。
その占いによると、私は「どんなピンチのときでもアイデアとインスピレーション、行動力で乗り切る人」なのだそう。
そんな大層な...と娘に言うと、「これまでずっとそうだったでしょ?」と過去のエピソードを話してくれました。
今から約20年前、次女が小1の頃のことです。
当時の我が家は学校から遠く、徒歩で片道40分程度の場所にありました。
ある日、ふらふらになりながら小1の次女が帰宅。
その日は夏休み直前で、下校時刻は午後3時すぎの炎天下です。
帰宅した次女は、頬は赤黒く、全身に熱がこもり、熱中症寸前の状態でした。
真夏の炎天下を40分も歩くのは命の問題に直結するのだと思い知りました。
さっそく子どもたちの登校は徒歩、下校はバスと決め、この出来事と共に担任に連絡。
すると、担任は「小学生の登下校は徒歩が当たり前。学校のルールです!」とストップをかけたのです。
私がどんなに異論を唱えても、担任は「ルールです!」の一点張りで、全くゆずろうとしませんでした。
「直接話し合いましょう。今からそちらに向かいます。校長先生も教頭先生も一緒にお願いします」
そう宣言して学校に乗り込み、話し合いがスタートした途端、担任は態度を一変。
「ルールは大切ですが、子どもの命はもっと大切。バス下校で大丈夫です!」
180度意見を変えてきたのです。
これが次女にとっては驚きだったそうです。
「電話のあと、すぐに学校に行ったからびっくりした。あの後、二度とバスはダメですって言われなくなった!」
次女が笑って話すと、今度は長女が「私が中学生のときのこと覚えてる?」と話し始めました。
当時、長女にしつこく迫るヤンキーの男の子がいました。
長女は彼に興味がなく、何度も断っていましたが、その子はあきらめなかったのです。
そんなある日、その男の子が突然自宅前にやってきて大暴れ。
大声で「出てきて~」と叫んだり、我が家の傘立てを壊したりしたことがあったのです。
それを見ていた私は、すぐにデジカメでカシャカシャ撮影。
「何してんの?」と声をかけ、驚く相手に言いました。
「これは証拠保全といって、犯罪行為の証拠を残しているの。あなたは今、器物破損っていう犯罪行為を犯したからね。これでしかるべき処置ができるのよ」
そう言われてひるむ相手に、私はたたみかけました。
「呼び出しがあると思うからよろしく。ご両親にもそう伝えておいてね」
そう言った途端、このヤンキー中学生は慌てて逃亡しましたが、その後、再び我が家にやってきて平謝りでした。
「謝ってくれてありがとう。だけど、どう処理するのかは私が決めるからね」
そう伝えて帰ってもらいましたが、その後、娘がこのヤンキー男子に絡まれることは二度となかったそうです。
ほかにも「電車でヤンキーに絡まれたときもね...」「高校のPTAが揉めたときなんて...」、など、娘たちが覚えているエピソードをいくつも話してくれました。
これには「よく覚えてるな~」とビックリするやら恥ずかしいやら。
でも、内心は感動していました。
なにせ、これらの中には親子関係が難しい時期に起きた話もあって、当時は「お母さんなんてめんどくさい!」という態度だったはず。
しかし、今となっては「どんなピンチのときでもアイデアとインスピレーション、行動力で乗り切る人」だと私を表現してくれているのですから。
そう考えると、私の行動は無駄ではなかったんだな、と思えます。
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