<この体験記を書いた人>
ペンネーム:夏子
性別:女性
年齢:45
プロフィール:同じ年の夫と私、子どもの3人で郊外の住宅街に住んでいる主婦です。毎日のんびり近所の公園を散歩して癒されています。
まだ独身だった27歳の頃、会社勤めに慣れてお金もそこそこ貯まってきたので、前からやってみたかった油絵を習うことにしました。
情報誌に掲載されていた油絵教室を見学すると、先生は30代後半くらいにも50代くらいにも見える、年齢不詳な感じの独身男性でした。
説明によると、先生は画家として生計を立てており、教室があるビルのオーナー(50代女性)に頼まれて油絵教室を始めたとのこと。
見せていただいた先生の絵が素晴らしかったのでその場で入会し、週1回通うことにしました。
見学したときの説明では、他に20代と30代の女性の生徒さんがいるとのことでしたが、実際に通い始めると他の生徒さんは曜日が違うそうです。
たまに振替で一緒にレッスンを受けることもありましたが、基本的にマンツーマン指導になってしまいました。
本人がいないところで、先生は20代の生徒さんを「〇〇大」と大学名で呼び、30代の生徒さんは「人妻」と呼んでいました。
おそらく、他の生徒さんに私のことを話す際は「OL」と呼んでいたのかもしれません。
「この間、〇〇大と美術館に行ってさ~。その前は人妻とスケッチ行ったんだよね...あ、人妻とは何もないからね、僕」
などとよく話しており、絵の教室以外でも会っているようでした。
先生は社交的なタイプらしく、同じビルでベリーダンス教室の講師をしている女性(20代後半くらい)にもマメに声をかけていました。
「ちょっと息抜きにダンスの先生の所に行こうよ」
そう言って私を連れてダンス教室に行き、毎回お茶をしていました。
幸いベリーダンスの教室は生徒がいなくて暇そうで、いつもお茶に付き合ってくれましたが「お邪魔じゃないのかな...」とちょっと心配でした。
入会して1か月くらいたつと、私もスケッチや美術展のオープニングイベントに誘われるようになりました。
一緒に外出してみると、先生は女性をナンパするのが好きだと分かりました。
好みの女性を見かけると「ねぇ君たち、どこから来たの? あ、僕は画家で、今日はスケッチしに来たんだ」などと声をかけます。
私を生徒だと紹介すると女性たちも安心するようで、かなりの確率でナンパした女性とお茶をしたり、連絡先を交換したりできていました。
ナンパの片棒を担がされているようで若干モヤモヤし、最初の頃は「それにしても軽いな...ホントに女好きなんだな」と呆れていました。
ところが、そんな見方がちょっと変わる出来事がありました。
先生と2人でスケッチに行ったとき、先生は1人で立っていた女性(20代前半くらい)に「僕は油絵を描いててね、この子は生徒なんだ」と、いつものように声をかけました。
話の流れで女性は電話番号を教えてくれることに。
メモ用紙に電話番号を書いていると、若い男性が公衆トイレのほうから来て「何してるの?」と女性に尋ねました。
女性は1人で来ていたのではなく、彼氏のトイレを待っていたのです。
女性は「この人、絵の先生で、展示会に来て欲しいんだって」と説明しながら電話番号を書いたメモを先生に渡して、彼氏と去っていきました。
先生はさぞがっかりしているだろうと思いましたが、出てきた言葉は意外なものでした。
「何だあの男は! 自分の彼女が初対面の男に電話番号教えているのに止めないなんて! 僕だったら、絶対止めるか、代わりに自分の電話番号を教えるよ」
そう言って怒る先生に、私は「それ『初対面の男』が言うセリフ?」と笑いをこらえるので精一杯。
よく分からない理屈でしたが、なぜか忘れられない発言でした。
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