20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
アメリカ国籍を取得し、ハワイにて生活を営んでいた中道あんさんの妹夫婦。コロナ禍にあって、なかなか日本を訪れることができていませんでしたが、この春に帰国。その道中に、妹さんは大きな決断を...
【前回】あって当然を廃止!どっちでもいいものを手放し、時間もお金も自分のために
【最初から読む】仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん
ハワイに住む妹夫婦はコロナの影響もあってここのところ帰りたくても帰れない状態でした。
今年になって出入国の規制緩和があり、すぐさま手続きして新緑の5月に日本に一時帰国しました。
久しぶりの日本旅に熟年夫婦は期待を膨らませていました。
成田空港に着いた時には、これまでにないほどテンションが上がったであろうと想像できます。
アメリカ本土からハワイに移住して12年。
年々、物価も上昇し、会うたびに暮らしにくさを嘆いていました。
狭い島なのでコロナでもたくさん我慢をしていたのではないでしょうか。
東京から大阪までを、温泉に入ったり、観光をしたりしてゆっくり、のんびりと西に進んでいく旅。
その途中の静岡県の温泉街で、店頭に並べられている手作りのかまぼこや干物を夫婦で眺めていた時のこと。
夫がものすごく嬉しそうに食べたいものを指さしながら選んでいる横顔を見た時に「もう日本に帰ろう」と直感的に決めたそうです。
実は、妹は独身時代に購入したマンションを大阪に持っており、24年間、私が管理をしていました。
緑も多く、のどかな町並みを眺められる立地のおかげで、借り手には困ることはありません。
ちょうどこの3月に退去されたばかりで、リフォーム工事の最中でした。
これも何かのタイミングだったのでしょう。
妹夫婦は、戸籍を再取得して日本に永住することを決心したようです。
リノベーションして新しい人生をスタートさせることに。
それにしてもなんという決心の速さというか、フットワークの軽さでしょうか。
義弟は70代手前、妹は55歳という熟年カップル。
ハワイでの暮らしをすべて手放し、トランク1つ持って、日本で人生をリスタートさせるようです。
歳を重ねるとだんだん「変化」に対して腰が重くなってきます。
したいことを実現させるためには、面倒なことも引き受けなければならないからです。
それなりの覚悟がないとできないことです。
それでも、簡単に決めらちゃうのはどうしてなのか考えてみました。
義弟にとっては日本での新しい暮らしは6thキャリアになります。
妹は日本で就職して、31歳でアメリカ留学、現地で就職、結婚生活、13年後ハワイで新しいキャリアを構築。
今回の日本は5thキャリアですね。
日本の中高年においては、終身雇用の考えがまだまだ一般的。
40年間、同じ会社で働く人が多いので、人生を変えていくことに不慣れともいえるのではないでしょうか。
一般的に中高年の転職や起業は大きな決断を伴います。
私も55歳で起業した時には、なかなかの勇気が必要でした。
でも、人生はいつからでも自分の好きなように変えられると思っていれば、妹夫婦のように、直感に従って人生を決められるようになるのではないかと思いました。
年齢もキャリアも関係なく、したいと思ったときがベストなタイミング。
つい「でも」や「だって」とやらない理由をさがしますが、まず自分の気持ちを優先させてあげる。
その感情に蓋をしないでおこうと思うのでした。
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