性別:女
年齢:53
プロフィール:老犬の介護に奮闘中のパート主婦です。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
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私は40歳で正社員の仕事を辞めるまで、仕事が生活の中心という毎日を過ごしてきました。その間に結婚もしましたので、家事と仕事で精一杯です。子供がいないので、その分より仕事に没頭していたのかもしれません。当時、会社の人以外との付き合いはほぼありませんでした。毎日忙しいばかりでプライベートはあまり充実しているとは言えず、土日は平日できなかった家事におわれ、あとの時間はぐったりだったのです。
その頃の口癖は「私って友達がいないんだよね」でした。学生時代の友人は子育て真っ最中で誘っても時間が合わず、自然と疎遠になっていきました。たまに会える時があっても、子供のいない会社員の私と子供がいて専業主婦の友人とは、話がかみ合わず、なんとも微妙な感じでした。
ランチに行ったり、学生時代のような他愛ないおしゃべりがしたいと思うようになり、なんとか新しく友達を作ろうと思いました。
習い事を始めて、そこで知り合った人たちと出かけてみたり、パソコンでメル友を作ろうと思い掲示板に書き込んでみたりして、友達を作ろうと意気込んでいた私。
習い事で知り合った友人とはアラサーで知り合い、今も付き合っています。それはたまたま独身でほぼ同じ年、フィーリングが合ったという偶然が重なって今に至っているのでしょう。
掲示板で知り合った女性とお茶をしたこともあります。メールのやりとりを数回した後だったのですが、実際に会うとなにかしっくりこなかったりして、2度と会うことはありませんでした。
友人探しというのは、なかなか難しいものだなあと実感しました。会うと楽しい、また会いたいと思うような人にはなかなか巡り会えないのです。いつしかあきらめて友達を作ろうと言う積極的な気持ちが消えていました。
正社員を辞めて、しばらくしてパートタイムで働き始めました。その職場は新たに立ち上げた部署で、私のような主婦パートが大勢採用されていました。
すると、次第に仕事をするなかで自然に新しい友人が数人できたのです。
あれだけ欲しいと思っていた新しい友達が、あきらめて望まなくなった途端にできるなんて不思議なものですね。
彼女たちとは、どんな話もできる心強いそしてありがたい関係です。10数年が経ちましたが、今も変わらず、絆がより深くなっていると感じています。
また、正社員で働いていた頃の同僚と離れたことで、気が付いたことがありました。
その頃は近すぎて気が付かなかったけれど、いつもお互いを思いやって、一緒にいると楽しくて、ときには議論になって、そんな関係だった同僚。それって親友と言えるのではないでしょうか。
気が付かなかっただけで職場に私の友達はいたんです。その職場は退職していますが、彼女とは今でもお互いの誕生日を祝って食事をしたり、一緒にご飯を食べたりしています。
気づいてみると、私が大事にしていて信頼している友人たちは、主に一緒の職場で働いてきた人たちでした。仕事のやり方って人柄が見えるものだと思います。仕事をきちんとできる人は信頼できる人です。きちんとというのは、ずるい事をしない、うそをつかない、など人間としての基本姿勢。例えば職場のなかでミスしたときの行動で人間性が垣間見えます。人のせいにする人、言い訳ばかりの人とは友達になりたいとは思いません。
必死に友達探しをしていたのに、今は嘘のように考えなくなりました。青い鳥じゃないけれど、気が付かなかっただけで、大事なものはいつもそばにあったのです。
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