<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女性
年齢:51
プロフィール:実母(80歳)と息子(12歳)の3人で、ちょっと田舎に住んでいます。
47年以上前、祖父母が生きていた頃は、年に一度父(当時35歳)の実家に帰省していました。
田舎の土地柄のせいなのか、父の実家だけがそうだったのか、断言はできませんが、当時3歳だった私は祖父(当時69歳)、祖母(当時62歳)から名前で呼ばれた記憶がありません。
それは従妹(当時3歳)も同様で、兄(当時6歳)や従兄弟(当時5歳と3歳)は名前で呼ばれていましたので、女の子の名前はあってないようなものだったのでしょう。
祖父や祖母は、私たち女の子の名前をいつも呼ばないので、いざ呼ぶときには「何ていう名前だっけ?」と名前すら忘れてしまっているようでした。
親戚内では、私たち女の子のことは「○○(父の名前)の娘」と呼ばれていました。
男尊女卑がすごく、女の子はいろいろと手伝いをしろと言われていましたが、兄たち男の子はあまり言われてなかったように思います。
なんでだろうと思うと同時に、女の子だから仕方がないと当時は思っていました。
月日は流れ、社会人になった20歳ぐらいの頃、お盆休みに家族で本家のお墓詣りへ行くことになりました。
お墓参りの後に父(当時51歳)の叔父(恐らく60歳前後)宅に伺ったときも、叔父は兄(当時23歳)の名前は覚えていましたが、やはり私の名前は全く覚えていませんでした。
久しぶりに名前を呼ばれていなかった、子どもの頃を思い出しました。
そして、今から6年ほど前のことです。
父(当時76歳)が自宅で介護状態になっていたため、父の兄弟家族がお見舞いに来たことがありました。
いろいろな話をする中で、父の姉(当時78歳)が子どもの頃の話をしました。
「子どもの頃は長男(父の兄)だけが跡取りだからと大事にされて、それ以外の子どもは働くのが当たり前だったわ」
「私(伯母)も子どもの頃は苦労したんよ。兄は何もしなくてもいいけど、私も〇〇(父)も働かされたものよ。△△(父の弟)は小さかったから知らんやろうけど」
伯母は嫁いだ後も実家のことを取り仕切っていたので、そんな伯母も男尊女卑的な苦労をしていたとは思いもよらなかったので驚きました。
長男は特別、長男に何か不幸があった場合は次の男の子に跡取りの順番が回ってくるので、次男は長男の次に大切。
しかし、女の子が跡取りになるのは論外という考えが根強かったため、男の子とは全く違う扱いをされていたのでしょう。
男の子を産まないと嫁として肩身が狭かった、というのもつらい話です。
伯母の話を聞いて、今まで虐げられていた私を含めた女性全員のことを思って悲しくなりました。
こんな時代を経て、今では女性が跡取りになることも問題ない世の中になりました。
当時の祖父母や親戚は想像できなかったと思いますが、知ったら何と言うのでしょうか? 反応を見てみたい気もします。
人気記事:《漫画》なぜこんなことに? 美容師の夫の店で娘が親友に無料でトリートメントした結果<前編>
人気記事:《漫画》新婦を差し置いて「この子にもドレス着せて」!? 結婚式場で見た義母と義妹の仰天行動<前編>
人気記事:おいおい...。偶然聞いてしまった、認知症の義母と義叔母の口喧嘩《バニラファッジ》
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。