<この体験記を書いた人>
ペンネーム:晴れのち曇り
性別:女性
年齢:65
プロフィール:78歳の夫と2人暮らしの会社員です。
15年ほど前のことです。
転職を決めた私へのお祝いとして、当時20代の娘が北海道旅行に誘ってくれました。
当時60代の夫はまだ現役で仕事をしていたので、3泊4日の2人旅です。
娘は大の旅行好き。
国内はもちろん、海外にも買い付けと称してたびたび渡航するほどです。
一方の私は、飛行機や新幹線を利用しての旅行経験はほとんどありません。
飛行機の搭乗手続きさえも不安で、当時関西に住んでいた娘にこちらの最寄りの空港から出発しようとお願いしました。
あたふたしながら搭乗手続きを終え、飛行機の座席についてこれで一安心と思いきや、離陸すると旋回と揺れに激しい吐き気と眩暈が...。
それは機体が安定するまで続き、雲海の美しさも目に入りません。
千歳空港に着いたときは、機内で握りしめていた手は皺だらけ。
ストレスで短時間でやせたのか、履いていたズボンのウエストはゆるゆる...。
髪も白髪になっていたらどうしようと思うほどでした。
空港に着くと、予約していた小樽のホテルに向かい、荷物を預けてとりあえず散策することに。
ツアーではなく気ままな2人旅だったので、あちこち観光して写真を撮って楽しみました。
当時はまだスマートフォンを持っておらず、画素数も少ないデジタルカメラで景色を撮っていましたが、撮りすぎてすぐにメモリーがいっぱい。
帰宅してパソコンで見てみると、アングルがまともなものは数枚だけ。
ピントが合っていない旅の記録ばかり残りました...。
まあこれも、旅の思い出です。
2日目は支笏湖に向かうつもりでしたが、予定を変更し、市場通りで海鮮丼を食べたり、ガラス細工を見たりしました。
しかし、歩き回り浮かれすぎたのか、ひどく疲れて足まで痛くなってしまった私。
履いてきた靴も悪かったのでしょう。
やっとベンチを見つけて「休憩しよう」と座った瞬間、柔らかく生暖かい感触が...。
「お母さんやめて! 恥ずかしい!」
娘の叫び声が聞こえてきました。
思わず立ち上がり後ろを見ると、50代と思われるご婦人が先にベンチに座っていました。
なんと、私はご婦人の膝の上に座ってしまったのです!
私が座ろうとしたときには空席だったはずなのに...。
赤面しつつ何度も頭を下げてお詫びをする私に、ご婦人は微笑みながら「疲れますよね」と返してくださいました。
「もう! だからスニーカーを履いてくれば良かったのに!」
娘に叱られながら、タクシーを使いホテルに帰ることにしました。
愛想の良い運転手さんで近距離でも気にせず楽しく話しながらホテルに到着。
お礼を言って下車しようと財布を取り出すと、お金がありません...。
普段は現金を持ち歩かない私は、財布の中身が昼食代に消えてしまったことを忘れていました。
ここでも娘のお世話になることになり、少し情けなくなりましたが、後で支払うと言う私に「いいよ、もう」と笑っていました。
きっと娘にとっては散々な思い出ができたことでしょう。
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