<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆうそる
性別:女性
年齢:40
プロフィール:一年半前に結婚した一児の母です。育児休暇も終わり毎日忙しい 日々を過ごしています。
私が中学1年、弟が小学6年のときの話です。
父方の祖母が亡くなりました。
祖母は叔父(父の弟)家族と暮らしており、お正月やお盆だけでなく、月に2度程度は祖母に会いに行っていました。
祖母は畑仕事が好きで、私が小さい頃は野菜を育てていたのをよく覚えています。
ミーヨー(沖縄の歌)も好きで、踊りを見せようと音楽を流して踊ってくれたり、教えてくれたりしました。
一曲覚えたら祖母と弟と私で一緒に踊り、親戚の集まりでみんなに披露していました。
いつも元気でパワフルな祖母でした。
また、とても信心深い人で、近所にある八幡様の花やお酒を毎日替え、掃除をしていました。
ある日、八幡様の横で心臓発作で倒れてしまい、救急車を呼んだときにはもう手遅れだったようです。
野外で亡くなったことで、事件性がないか警察から事情聴取が行われ、親戚一同嫌な思いをしていたのを覚えています。
事件性はないと医師の判断もあり安心しました。
祖母の急死にショックを受けながらも、親戚一同バタバタとお通夜の準備を行いました。
親族で「ばあちゃんも、八幡様の横で死ぬって幸せやろうね」などと話しながら、祖母の安らかな表情を見ていました。
お葬式の日、棺桶に花を置いていると、弟が手を合わせていきなり大きな声で叫びました。
「ばあちゃん、畑に行って来るねっていうたやん! 帰ってきてよ!」
弟は泣きじゃくり、それを見た周りも我慢していた涙が溢れ、みんな声を出しながら泣いてしまいました。
私も大泣きして、祖母のことを思いました。
後日、親族が集まったとき、親戚の1人が弟に聞きました。
「なんで、あんな事いうたと? もらい泣きしたよ」
みんな気になっていたので、視線が弟に集まりました。
「ばあちゃんが亡くなる一日前に夢に現れて、畑に行ってくるねって川みたいなとこ渡っていたもん」
祖母がお別れを言いにきたような、もしくは祖母の死を予知していたような夢で、みんなびっくりしました。
小さい頃の弟には、そういう力があったのかもしれません。
今でも優しかった祖母と弟のこの涙の叫びは忘れることができません。
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