<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52歳
プロフィール:妻の発言に、少々ビクビクしてしまう52歳男性です。
3年ほど前、合格率10%前後の資格試験の受験を控えた私(当時49歳)は、妻(当時42歳)と二人で初のお伊勢参りをしました。
「一生に一度はお伊勢参り」と言いますが、私も妻も今まで一度も訪れたことのない場所です。
試験の合格祈願を兼ね、夏休みを利用して出かけることにしました。
私は、子どものころから神社やお寺が好きで、出発日が近づくにつれワクワクしてくるのですが、一つだけ不安要素がありました。
それは、妻が神社仏閣に全く興味がないことでした。
お伊勢参りにも興味がない妻は、伊勢に着いたら何を食べよう、地ビールはあるかなぁ、そんなことばかり口にしていました。
そうして迎えた出発当日。
伊勢に着いて早々に、妻がこんなことを言いました。
「お参り、今日はやめよう! 美味しいものを食べよう!」
今回の旅行の目的を根底から覆す一言でした。
今日は外宮、明日は内宮に行くと説明するも、興味がない妻はまともに聞こうとすらしません。
そんな妻をなんとかなだめすかし、不安を抱えたまま外宮に到着しました。
あまりにも広大な敷地、木々に囲まれた荘厳な雰囲気。
これが伊勢神宮なのか、と圧倒されている私とは対照的に、とりあえず一服と喫煙所を探す妻。
参拝時間が午後5時までのところ、あと1時間ちょっとしかなかったことと、早くご当地グルメを堪能したい妻に配慮して、早めに参拝を終わらせることにしました。
外宮の奥へと到着すると、小部屋の中で姿勢正しく書物に目を通す神職の方を見かけました。
その佇まいを見て感心している私に、妻が大きな声で言いました。
「よくできた人形だねぇ。まるで呼吸しているみたいだよ」
妻の突然の発言に驚いたものの、すぐさま私は妻の口を手で抑え、逃げるようにその場を後にしました。
その後、私が妻に厳しく注意をすると、妻は何がいけなかったのか分からないと言います。
説明しつつ妻の話を聞いてみると、妻はあそこが伊勢神宮だとは気づかず、何かのテーマパークだと思ったそう。
普通、神社ってそんなに広くないし、参拝する人たちだって少ない、何より屋台が出ていないから、神社だって気が付かなかった。
それが妻の言い分でした。
伊勢神宮について、とっても大きくて有難い神社だと、ざっくりした説明しかしなかった私にも非があるのかもしれません。
どうやら妻は、初詣で多くの参拝者が訪れる神社をイメージしていたようでした。
2日目には内宮の参拝をしましたが、また妻がおかしなことを言わないかと、内心ドキドキしていました。
有難いことに心配は杞憂に終わり、特に何事もなく内宮での参拝をすることができました。
資格試験の合格祈願をすることができたので、ほっと胸をなでおろす私。
その後は、妻の希望通り三重グルメを満喫し、妻もニコニコで満足してくれたようです。
後日行われた試験で、私は無事に合格することができました。
「いろいろありましたが、無事に合格させていただきありがとうございました」
そう心の中で感謝を申し上げると同時に、「今後、寺社仏閣へ行くときは一人で行こう」とも思う私でした。
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