＜この体験記を書いた人＞
ペンネーム：ヒミコ
性別：女性
年齢：49
プロフィール：パート主婦。小学生の子ども2人と同じ歳の夫がいます。
18年前、私が独身だった頃の話です。
結婚した姉が妊娠して体調が悪くなり、飼っていたペットのマルチーズを譲りたいと相談されました。
ペットを飼ったことがなかった両親（当時母50代、父60代）と私は面倒だなぁ、と渋々だったのですが、飼ってみるととてもカワイイ！
真っ白くフワフワとした毛で真っ黒いまんまる目のマルチーズは、まるでぬいぐるみのよう。
何時間でも見ていられます。
すぐに家族のアイドルになり、家族の話題はいつもマルチーズの「ももちゃん」の話に。
普段は厳格な父が、散歩で会う近所の人に「カワイイ」と言われた数を記録していたのには笑いました。
実は、犬を飼うことに一番反対していたのは父なのですが、すっかり愛犬家に変身して、一番面倒を見て話しかけてはよく抱っこしていました。
父の意外な一面を見ることができて嬉しかったのを覚えています。
ももちゃんは寂しがり屋で、相手をせずにほおっておくと鳴いて暴れます。
だからずっと相手をしなければならないし、トイレの世話、シャンプー、散歩と本当に手がかかるのですが、カワイイので許せてしまいます。
ニコニコしながらももちゃんのお世話をしているおかげで、家での生活が充実しました。
しかし、甘やかしたせいでわがまま女王になったももちゃんには、苦労させられたことがあります。
買い物に一緒に連れて行かないと、お留守番中、カーペットに粗相をするのです。
さらに匂いが嫌なのか、上にティッシュを自分でかぶせます。
ティッシュがうまく抜き取れなかったときは、周辺にあるチラシや新聞紙、ハンカチがご丁寧に上にかぶせてありました。
帰宅後、部屋の中央に不自然なティッシュの盛り山を見つけては、私と両親はがっくり肩を落としていました。
毎回必ず粗相するので、仕方がなく買い物には一緒に車で連れて行くようにしました。
店には入れないので車でお留守番させるのですが...そうすると運転席シートに粗相します。
車だと掃除も大変だし、車の中に匂いがこもってしまいます。
きつく叱ったり、大急ぎで短時間で買い物を済まして車に戻っても無理でした。
急いで戻ると、車の中でも粗相の上に何かを乗せているんです...。
律儀な性格で怒りと笑いが同時にこみ上げてきます！ タイミングよく出るもんだと感心してしまいました。
そんなももちゃんは10歳で亡くなり、家族全員しばらく寂しさで元気がでませんでした。
道端で白いスーパーの袋が風に飛ばされているのを見ただけで、ももちゃんを思い出して泣けてきました。
今では2代目の犬をお迎えしたのですが、これまたわがままで...。
お世話といたずらに振り回されつつも、両親は愛情を注いで楽しそうにしています。
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