<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:ご飯を作ってくれるのはホントにありがたい。でも、あの一言でリベンジ決定です。
2021年秋、コロナ禍でお家で過ごすことが増えていた我が家。
そうなるともちろん家事負担も増えるのですが、その中で、特に負担を感じたのが食事作りでした。
5人分の食事を休みなく作るのは、55歳の私にとってはやっぱり辛かった...。
あるとき「毎日毎日きっちりご飯を作るの大変!」と、つい本音がポロリと口からこぼれたのです。
その言葉に夫(59歳)が素早く反応しました。
「よし! 俺が作るよ!」
こうして、夫が積極的に食事を作ってくれるようになりました。
思わぬ援軍の登場に「ラッキー!」と、小躍りしながら喜んだのも束の間。
この後、ちょっとした問題と向き合うことになったのです。
残念ながら夫は料理が得意ではありません。
まあ、それは全然良いのです。
何しろ作ってくれるのですから。
問題なのは「料理はまずくても食えればいい」と、割り切り過ぎていること。
それを裏付けるように、ご飯ができると「ご飯できたよ~! 美味しくないけど。でも食える食える」と、とっても満足そうに言うのです。
こうして出されたご飯はその言葉通りで、野菜はガリガリ、お肉はカチカチ、揚げ物はベチャベチャという...「ギリギリ食える」のクオリティ。
ご飯を楽しみにしている家族からするとたまったものではありません。
「これは何とかしなきゃ」と考えた私がまず取り組んだのが、一緒に作って覚えてもらうこと。
「大丈夫だよ、作れるから」
「まあまあ。一緒に作らせてよ」
渋る夫をなんとかなだめながらあれこれレクチャー。
野菜の切り方、味付けのポイント、火加減など、お料理番組みたいに説明しながら一緒に作ってみたのです。
すると、そのときには「ホントだ~」とか言いながら、とっても良い感じに仕上げてくれました。
でも、次からすぐに元通り、完全に自己流に戻ってしまうのです。
そこで作戦を変更してみました。
「みんなあなたの作る美味しいご飯が食べたいんだよね!」
そう言って愛情に訴えてみたのですが...。
「それは奥さんの担当だよ~」
と返してくれる夫。
要するにこれ、「俺のご飯は食えればOK」ということなのです。
自分から改善する気はゼロだな...ならばここからは荒療治だ!
我が家はときどき、辛いものが中心の大人専用メニューが登場します。
そして、それらのほとんどは夫の好物で、毎回とっても楽しみにしています。
ですので、これをあえて「食える」レベルの残念クオリティで提供してみることにしました。
きっとめちゃくちゃがっかりするはず...そう思いながら作ってみたのは「残念な麻婆春雨」。
いつもなら具材は全て細目に、同じ大きさになるように丁寧にカットしますが、このときだけはどれもざく切り。
いつもなら強火で一気にササッと炒めて、野菜はシャキシャキした食感に仕上げます。
でもこのときは、長めに火を通したため、野菜はベチャベチャ。
私の目指した残念メニューの完成です。
ワクワクしながら夫に提供しました。
夫は「あれ?」と、そんな表情でパクついてから微妙な反応をしています。
何口か食べた後、「ん~...」と、期待通りのリアクションが返ってきました。
チャンス到来! すかさず夫に言いました。
「食べられるんだからいいでしょ?」
すると「やられた!」という表情とともに、夫は「すみません。次から頑張ります」と言ってくれました。
これ以降、夫の料理スキルはメキメキ上達。
「野菜のカットはこれでOK?」とか「味付け足りてる?」など、確認しつつ料理してくれるようになりました。
今では「じいじのご飯めっちゃ美味しい!」と孫たち(小5と小2)から言われるほど料理上手です。
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