<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子ども3人と夫と生活する主婦です。
14歳、中学2年生の息子は来年受験生です。
年頃を迎えたせいか、最近、親子のコミュニケーションはあまり取れていません。
夕食のときなど、私から会話を試みますが、最低限の返事だけで済まされてしまいます。
先日、学校の三者面談がありました。
普段はあまり自分のことを話さない息子が、行きたい高校があるとはっきり先生と私に話してくれました。
それを聞いた先生は、その場で「今の成績や内申点では到底無理、ランクを下げたらどうだ?」と言いました。
まだ2年生なのに、頑張れ、ではなく、無理だ、と言われてしまったことに私は少しショックを覚えましたが、息子は志望校を譲りませんでした。
結果、先生も応援すると言ってくれました。
このとき、きちんと先生に自分の気持ちを話す息子を見て、知らないうちに成長したことを感じてとても嬉しかったのです。
帰宅後、息子には塾に通うことを提案してみましたが、絶対に塾には行かない、と言い張ります。
面接で息子の意気込みを聞いていたこともあり、息子のやり方を尊重しようと思い直し、一緒に書店へ行って問題集や参考書を買い込みました。
丸つけなどは私が協力することになり、息子は毎日決まった分の問題を解いて私のところへ持って来るようになりました。
面倒なときもありますが、息子が頑張っているのだから私も協力しなければと続けました。
解答を見てみると、思った以上に正解しています。
なーんだ、今までも勉強していたんだな、よくできてるしこれなら大丈夫、と思って息子の成長を喜んでいました。
ところがある日、息子のズボンを洗濯しようとしてポケットの中身を確認していたところ、数枚の紙が出てきました。
なんだろう?と見てみると、なんと問題集の解答の縮小コピーだったのです。
まさかと思いながら、息子の机の周りを見てみると、出るわ出るわ、解答のコピーがあちこちに隠されていたのです。
頑張っていると思って喜んでいたのに、心から応援して協力していたのに、こんな嘘をつかれていたのかと思うと、悲しいやら頭にくるやら...。
頭の血管が切れるんじゃないかと心配になるほどでした。
相手が夫だったら一瞬でブチギレています。
でも、相手は息子です。
「馬鹿かお前は!」
そう怒鳴りつけることは簡単ですが、そんなことしたら絶対に悪い方向にしか行かないだろうと思い直し、耐えに耐え、一晩ゆっくりと自分を落ち着かせました。
とにかく大事なのは信じてやることと、怒らないように落ち着いて息子と話をしました。
すると泣き出した息子。
よくよく話を聞いてみると、プレッシャーに押しつぶされそうになっていたようです。
これまでも自分なりに頑張っていたのに一向に成績が上がらない、テストで点が取れない、と泣きながら言うのです。
息子はずいぶん一人で悩んでいたんだな、と気づきました。
そして、私が急に受験を応援しだしたことがプレッシャーになったのかもしれないな、とも。
だからといって、答えを写してもどうにもならないことは分かるはずですが、まだまだ中学2年生は子どもなのかもしれません。
その日から改めてスタートを切り、二人三脚で一生懸命頑張っています。
息子の姿を見て、怒鳴りつけなくてよかったと思います。
どんな結果になるかまだ分かりませんが、息子の努力が実を結ぶことを願っています。
そして、受験に押しつぶされず、残された学校生活も息子らしく楽しんでほしいと思っています。
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