<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ジー君のママ
性別:女性
年齢:45
プロフィール:2人の子どもを育て上げたバツイチママです。今は年老いた猫と静かに2人暮らししてます。
33歳のとき、人生で二度目となるうつ病を発症しました。
今思い出してもどんよりした記憶ばかりで、とても辛い時間でした。
私には2人の子どもがいますが、当時はまだ2人とも小学生。
当時同棲していた彼は、自分に絶対の自信を持っていて、周りを巻き込みながら我が道を進むような、とても我の強い人でした。
ですが、私の子どもたちには我が子のように接してくれていて、子どもたちもよく懐いていたこともあり、毎日賑やかで楽しく生活しているように周りからは映ったと思います。
職場が同じだったので、私たちは一日中一緒にいました。
私自身も我が強い方だったのですが、その割にはっきり自分の気持ちを言えない性格です。
嫌でも誘われたら付き合いますし、相手の機嫌を損ねて喧嘩するのが面倒だから言いたいことがあっても限界まで我慢していました。
これがうつ病になった原因だったのではないかと思います。
ある時期から私は眠れなくなり、帯で身体を締めあげられているかのような息苦しさが続き、イライラが言動に出るようになりました。
食欲や性欲がなくなり、もともと痩せ体系でしたが、さらに体重が5キロも減少。
病院に行くと、うつ病と診断されたのです。
彼は「俺が治す!」と言って、最初はいろいろと私に気配りしてくれました。
でもだんだんと、私の気持ちより自分のやり方、考え方を押し付けてくるようになったのです。
「気晴らしに散歩に行こう」と、嫌がる私を何度も外に連れ出したり、職場の仲間を家に呼んでワイワイ騒いだり、ゲームを強要したり...。
そっとしておいてほしい私の気持ちより、盛り上げて楽しい気持ちにさせることを優先していました。
「家にばかりいるからよくならないんだ」
「そんなんだからうつ病になるんだ」
「うつ病を言い訳にするな」
「気力が足りない」
「そんなときはゲームをすれば元気になる」
「これ面白いから見て」
などなど...。
彼にとっては激励のつもりだったと思います。
でも、彼が頑張れば頑張るほど負担に感じ、私の状態はどんどん悪くなっていきました。
このままだと彼に嫌われる。
子どもにとって彼の存在は父親そのもので、彼がいなくなってしまったらどうしよう...。
そんな不安から、あり得ない彼の浮気を疑い、嫌味を言うようになりました。
休みの日にはずっと眠っていたい、もう目が覚めないでほしいと大量の睡眠薬を飲み、意識を失ったこともありました。
そのときに見た、隣りの部屋で楽しそうにテレビを見ている子どもたちの姿は、今でも頭から離れません。
ある日、また大量に睡眠薬を飲んで意識を失った私を、彼は病院に連れて行ってくれました。
そこで主治医から、「あなたがいると彼女のうつ病は良くならない」と言われてしまったらしく、結局最後は彼が身を引く形で出て行ってしまいました。
子どもたちからまた父親を奪ってしまったという申し訳なさで、私は泣き叫んでいました。
通院期間は1年半、最初は少しだった薬の種類もずいぶん増えていました。
彼と別れた後、私は仕事をやめました。
私たちの事情をみんなが知っている環境に耐えられなかったのです。
自分のことを知る人がいない場所でやり直したいと思い、全く初めての仕事に就きました。
彼と別れてからウソのように私の体調はみるみる良くなっていきました。
あれから10年以上の月日がたちますが、再発はありません。
あの闘病を機に、我慢せず自分の気持ちを出すようにしています。
変わる努力を今でもしています。
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