<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女性
年齢:44
プロフィール:夫(47歳)、娘(18歳)、息子(14歳)と愛犬ポメラニアンが家族。夫の実家で義父(72歳)と義母(69歳)と半同居。
私は生まれつき脈が細く、健康診断では必ず不整脈(徐脈)で「要観察」となってしまいます。
さらに血液濃度も薄いため貧血になりやすく、自分で貧血の前触れが分かります。
先日、用事で外出して駅で電車を待っているとき、貧血の前触れを感じました。
座っていれば治まるし、急いでいたので、車内で座って休もうと到着した電車に乗りました。
車内を見渡すと優先席しか空いていませんでしたが、他に立っている人はいなかったので、とりあえず優先席に座って目を閉じていました。
3駅ほど過ぎた頃でしょうか、目の前で大きな声がしたので重い目を開けると、目の前に太った老婆がいら立った表情で立っていました。
「あんた若いのに優先席で寝るなんて図々しいね」
私が優先席に座っていることを怒っているようです。
「すみません。ちょっと体調が悪くて」
そう言おうとした私の言葉をさえぎり、車内中に響き渡る大きな声で言いました。
「はぁ~!? 図々しいうえに嘘もつくんだ! 私はね、年寄りなんだよ。そのうえ、脚も悪いの! 目の前に今にも死にそうな年寄りが立っていても寝たふりをして、怒られたら下手な嘘で言い訳をするとはねぇ。全く信じられない女だよ」
そう物凄い剣幕でまくし立て始めました。
言い返したかったのですが、気分はまだ悪く、老婆と言い合う気にはなれませんでした。
「気づかずにすみませんでした。どうぞ」
仕方なく立ち上がり席を譲ると、老婆は勝ち誇った顔をしています。
「ここは年寄りが優先して座る席なんだからね」
ドヤ顔で言い放つと譲られるのが当然だと言わんばかりの顔で、私を押しのけて座りました。
「全くあれくらいの年齢の女は図々しくて困るわ。よっぽど、若い子たちの方が気が利くよ! 皆が皆、私みたいに堂々と正論を言える人間だけじゃないからねぇ。気が弱い人だと席も譲ってもらえないもんね」
隣に座っていた高齢の男性に大きな声で話しかけるのを聞いて腹立たしかったのですが、立ち上がると気分はさらに悪くなったので、私は次の駅で降り、ホームのベンチでしばらく体を休めました。
ですが、ずっと老婆の顔と声が頭の中から離れませんでした。
少し貧血が落ち着いてくると、理不尽に一方的に罵られたことが悔しくて涙が込み上げてきました。
具合が悪い上に嘘つきで気が利かないバカな女呼ばわりをされて...。
公共の乗り物の優先席は、高齢者だけのものなのでしょうか? 若くても身体の不自由な人や妊婦さんなどが優先して座る席のはずです。
それなのに自分の考えを正当化して大騒ぎをして、他人を罵倒するあの老婆を思い出すと今でも腹立たしさが込み上げてきます。
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