17歳で旅立った愛犬...「家族」として長くいたからこそ残る思い出にしみじみ

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:60
プロフィール:2021年1月、愛犬ユキが亡くなりました。17歳と犬としては長寿でした。

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2021年1月、我が家の愛犬キは17歳でこの世を去りました。

犬としては長寿でしたが、健康に気をつかっていたわけではありません。

それどころか、ついに死ぬまで一度たりとも体を洗わせませんでした。

「ノミも全くいないので清潔にしてたんですね」

準備のために来たペット葬儀の方にそんなことを言われ、なんとも面映い思いをしました。

ノミが出なかったのは私も不思議に思っています。

生まれて3カ月ほどで我が家に来たユキは、冬だったこともあり、しばらくは室内で飼っていました。

番犬としての活躍を期待していたので、夏場になると外に用意した小屋につなぎ始めました。

するとどんどん汚れが目立ってきたので、洗ってやろうという話になりました。

小屋の近くでたらいに水を張り始めたあたりから、どうにもユキが落ち着かなくなりました。

いよいよ洗おうと思って、抱きかかえてたらいに一歩向かった途端、死物狂いで暴れ始めました。

とにかくおとなしい犬で、吠えるのを聞いたことがなかったのですが、このときばかりは吠えちらし、ついには私の手を噛むまでして拒否したのです。

「痛ッ! おい、どうしたんだ、ユキ...」

せっかくの準備も虚しく、洗うのをあきらめました。

家に来てしばらくたち、体も大きくなってきたので、少し足を伸ばして散歩をしたときのことです。

近くの小川(幅2メートルほどの細い川です)まで来て、橋を渡ろうとすると座り込んでしまいました。

リードを引っ張っても動きません。

「どうした? いつもは先に行こうとするのに」

やむなく引きずるようにして橋を渡りました。

するとまるでほふく前進のように身を低くして、両側の川を見回しながら吠え続けるのです。

来客が来ても吠えず、これは番犬は無理だな、と話していたのに、このときは狂ったように吠え続けました。

その後も、子どもたちに水浴びでもさせようとビニールプールに水を張っているのを見ては吠え、庭に散水している水が小屋のあたりを少しかすめては吠え...。

とにかく水が大嫌いなのです。

大雨で庭に大きな水たまりができたのを見ると、一日中小屋から出てこない有様です。

「ねえ、狂犬病って水を怖がるっていうじゃない?」

心配した妻(57歳)が、医者に連れていったときもありました。

「種類によっては水を嫌がる犬もいますが、雑種ですよね...」

お医者様も訝しげに検査をしてくれたのですが、血液検査の結果はノープロブレム。

健康そのものでした。

「まあ、そういう個性ということなんでしょうね」

医学的見地からの見解(?)までいただき、結構な金額の検査料にため息をついたのでした。

結局、散歩で川を渡るときだけはいつも抱っこしなければならず(大きくなってからは、15キロほどもあるので結構大変でした)、庭に水をまくときもユキを避けるようにしていました。

年をとってからもとにかく体を洗うのを嫌がり、何回かのチャレンジはいつも無駄になりました。

亡くなるまで、ついに体を洗うことがなかったユキ。

少々不憫な気もします。

でも、いつもは大人しくしれっとしているのに、水を見たときだけ見せるおどおどした表情を思い出し、これもユキならではの思い出だな、としみじみしています。

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