「娘さんの生活も大事にしてあげましょう」父を説得したケアマネの言葉

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ペンネーム:あめゆじゅ
性別:女
年齢:54
プロフィール:昨年の秋に認知症でパーキンソン病をもった父(85歳)を呼び寄せ、親子孫の三世代で暮らしています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

介護制度は、特に在宅介護においては、介護する側にも必要な制度だと感じています。介護する家族を介護から解放してリフレッシュさせてくれる「レスパイトケア」がないと、自分の親の介護であってもストレスがたまります。

昨年の秋から父と同居しているのですが、私は自分の息抜きも兼ねた趣味の時間を確保したいと思い、今年の秋から父のショートステイをお願いすることにしました。でも、父はショートステイに行くのを嫌がります。おそらく、頻尿でトイレに行く回数が多いのに、空間認識ができないために、トイレの場所を覚えられないことが苦痛なのでしょう。

「来月のショートステイはどうしますか?」そうケアマネージャーさんに聞かれて、眉をひそめる父。すると「娘さんの生活も大事にしてあげましょうよ。ショートステイ、嫌かもしれないけれど、娘さんのためにちょっと我慢して、頑張って行ってあげてください」とケアマネージャーさんが父を諭してくれたのです。

硬いままの父の表情からは、行きたくはないけれどケアマネージャーさんの言うこともわかる、そんな複雑な心境が読み取れました。

そんな心強い助言をしてくれたケアマネージャーさんは、父にとっては3人目になりますが、ご自身の親の介護のために実家に戻ることになったようで、残念なことにもうすぐ退職されます。

父がまだ遠方で一人で暮らしていた時のケアマネージャーさんは、亡き母の要介護生活をずっと支えてくれた方でした。母の時からのお付き合いでしたので、父が我が家に越してくるまで、遠隔地からも安心して父のことをお願いすることができました。

そして、昨年父が我が家に越してきた時のケアマネージャーさんは、近くに暮らす義母の要介護生活を支えてくれていた方でした。当時、私は義母も通いで介護していましたので、両方のことがわかる方がいいと思って同じ方にお願いしたのです。

その時のケアマネージャーさんは、ご自身の病気のために退職されましたが、父と義母の二人の介護をしなければならなかった時には、その大変さを共感してくれました。「困ったことがあったら、なんでも言ってくださいね」という優しい言葉掛けも、私の心の支えになりました。

都合上そうなったのですが、父が一人で暮らしていた家と我が家というそれぞれの地で、父が初めてお世話になったケアマネージャーさんは、どちらも面識のあった方。父のことをお願いする前から、こちらの事情をよく理解してくれているというのは、本当に心強い限りでした。それだけでなく、不安に思うことや、介護保険で使えるサービスなど、気軽になんでも相談できたので助かりました。

ケアマネージャーさんは、介護される父の生活を支えてくれる方です。ですが、介護する私も支えてもらうことで、父との介護生活を頑張ることができます。

父と暮らし始めて1年が経ちましたが、まだまだ父の介護生活は続きそうです。これからも介護制度と新しいケアマネージャーさんに支えていただき、できるだけ在宅で頑張りたいと思っています。

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