母の料理に醤油や塩を追加。濃い味好きな父のための減塩法

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ペンネーム:こみく
性別:女
年齢:27
プロフィール:糖尿病の父の食事制限は厳しいものです。私の家では食事療法を家族みんなで考え、みんなで行ないました。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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当時55歳だった父は、目の不調から糖尿病を患っていることが判明しました。完治が難しいと考えられている糖尿病と上手に付き合っていくためには、インスリン投与と食事療法が必要です。父にはもともと血圧が高いという問題もあったため、減塩が一番の治療法と言われました。

私の家では、専業主婦の母が毎日の食事を用意しています。父の糖尿病を知ってからは、減塩療法や減塩レシピの本を一通り買い、その中にあるものから毎日の献立を考え、主菜・副菜・小鉢のようにバランスの取れた食事をランダムで作っていました。しかし、濃い味を好んでいた父にとって減塩は簡単なことではありませんでした。

昔から母の作る食事に醤油や塩をかけて食べていた父。減塩した料理を作っても、食べるときに調味料をかけたらなんの意味もありません。そこで私たちは、父と同じ減塩料理を一緒に食べるようにしました。父自身もその気持ちを酌んでくれたのか、調味料をかけることも少なくなり、家の調味料はすべて減塩のものやカロリーオフのものへと変わっていきました。

それでも父の口癖は「好きなものが食べられなくなってまで長生きしたくない」。私たちはそれを聞いてなんて言葉をかけるべきか悩んでいました。父には長生きしてほしいですが、食事に対して父がかなりのストレスを溜めていたのも知っていたからです。

減塩を続けていた我が家の食事も、毎日それを重ねていくごとに段々薄味が当たり前になり、私自身食事に対して不満やストレスを感じなくなっていました。父自身がどう感じていたかわかりませんが、不満を口に出すことがなくなりました。

減塩について我が家で気をつけていたことがあります。「だしや食材のうま味を生かす」、「調味料はかけずにつける」、「漬物や佃煮などは食卓に並べない」の3つです。和食が多かった我が家ですが、和食は意外にも塩分量が高い料理です。そのため、調味料での味付けではなく、昆布やかつお、あごなどのだしをしっかり取り、薄味でもうま味を味わえるように作っていました。味付けの調味料は計量器でしっかり量って使います。また、食卓では、調味料を料理にかけるのではなく、小皿などに醤油や塩を出し、つけて食べることで調味料の摂取量を大きく下げることができました。食事のアクセントになりやすい漬物や佃煮などの塩蔵品は基本的に食卓に並べないようにしていました。

食事療法は、好きなものを好きなように食べられないことでストレスを溜めやすいものですが、私たちは家族で協力することで乗り切りたいと思いました。その生活を数年続けたことで、食事療法を始めたときに比べると、食べられるものや量が増えていきました。今では、漬物などの塩蔵品が並ぶこともあります。ただ、血圧が高く、糖尿病を患った父が調味料を好きな分だけかけて好きなように食べることはこれから先も難しいかもしれません。それでもできるだけストレスを少なく、楽しい食事ができるように家族で一緒に食事をしていきたいと考えています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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