「お前が所有する建物だからとの言い分で、長男に固定資産税を払わせていた父。でも、息子には絶対に迷惑をかけたくないと考える母がひそかに動いていたのです」
■父はしてやったりのつもりだけど実際は...
ただ、ここまでの話は表向きで、実は裏があります。
兄は、税金も家の修繕費等もすべて自分が払うと申し出ていたのですが、実際にはまったく支払っていません。
すべての費用は、母(77歳)が自身の貯金から支払っています。
息子に甘える父とは対照的に、母は息子には絶対に迷惑をかけたくないという考え。
母はパートをしていた頃に、お金をコツコツ貯金していたようで頼もしい限りです。
もちろん、そのことを父には伝えていません。
父があまりにも嬉しそうに、近所の人に「息子がいろいろと面倒を見てくれるから助かる」と話していて、近所の人も「いい息子さんを持って羨ましい」と褒めていたため、言いそびれてしまったそうです。
どうやら父は、いろいろと要求を受け入れてくれる息子の頼もしさが嬉しいようです。
そして母は、夫が誇らしげに息子の話をする姿を見るのが嬉しいようです。
きっと父と母にとって兄は「自慢の息子」なのでしょう。
兄は、単純に「払う」「払わない」の事務的な話としてしか受け取っておらず、妹の私が言うのもなんですが、親の心子知らずといった感じです。
兄は母に「支払いが厳しくなったらいつでも言って」と言っていますが、母は「絶対に頼らない」と断固拒否しています。
さらに「どうせお父さんのほうが先に逝くからバレないわよ」と自信ありげ。
たしかに父が知ると失望しそうなので、このまま「秘密」が守られることを祈りたいです。
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