<この体験記を書いた人>
ペンネーム:EMISAKA
性別:男性
年齢:53
プロフィール:人生ゲームでゴール直前に「スタートに戻る」を引いた53歳。ゼロからのスタート頑張ります!
90歳になる父がいます。
昔は子どもと遊ぶのが大好きで、モノづくりを趣味として楽しむような人でした。
そんな父は5年近く前から認知症の傾向が現れたため、物忘れ外来にかかり、少しでも症状を抑える薬をもらいながら生活をしてきました。
しかし、時間とともにさまざまなものが父の頭から消えていきました。
大好きだった孫のこと、自分の子どもが結婚しているのか、それどころか子どもの名前も分からなくなり、ついに自分の妻である母のことも「妻」ではなく「近しい人」として認識しているようです。
随分前、家の前に老夫婦が住んでいました。
毎日毎日、その家のお婆さんが大きな声でお爺さんに対して叫んでいました。
「何をしているの?」
「これをして!」
「だから、ダメって言っているでしょ!」
それを見て、母は「そこまで言わなくてもいいんじゃないの?」「なんで、あんなに叫ぶんだろう?」とのんきな発言をしていました。
その母が今は毎日叫んでいます。
「電気を消さないで!」
「まだお昼だから雨戸は閉めないの!」
「洗濯物は入れないで!」
「ご飯はまだです!」
亡くなった老夫婦の気持ちが痛いほど分かると漏らしていました。
そんな父が、最近「男」になっていると母から聞かされました。
父は当然「男」なのですが、思春期の男の子が女の子に興味を持つような、そんな「男」になってきているというのです。
仲の良かったご近所さんの奥さんが亡くなり、旦那さんが一人で生活をするようになったので、母がたくさん作った料理のお裾分けを持って行くことがあります。
帰宅すると父は「あの人があなたの彼氏なんですか?」と聞いてきたというのです。
母は「何を言っているの?」と呆れていましたが、少しずつ妄想的な嫉妬を抱いているよう。
母が一人でお風呂に入っていると「誰と入っているのですか?」と聞いてきます。
父と母は別々の部屋に寝ているのですが、父は母の寝室に1日に何回も入って「ここでは誰と一緒に寝ているのですか?」
あるときは、突然「僕はまだ50代だからセックスがしたいんだ!」と言い出し、頭を抱えたそうです。
母は友人に父のこうした行動について相談しました。
すると、その方の旦那さんも同じような状況で、ご近所のお婆さんがお風呂に入っているのを覗きに行っていて、とても困っているとのことでした。
母は自分の夫だけでなく、高齢男性が「男」化しているんだろうか? と言っていました。
多くの高齢男性がこのように「男」化したら、ケアするほうはますます大変です。
どうか父の症状が落ち着いてくれることを切に願います。
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