<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2016年のある日、私はスーパーでコピーを取っていました。
当時の私はコピーを取る機会が多く、そのスーパーには頻繁に通っていました。
コンビニと比べて半額なので、そのスーパーのコピー機は近隣住民に人気だったのです。
私がコピーを取り終えて釣り銭を取ろうとしたときです。
後ろから「お嬢さん、一発お願いしていいかな?」と声をかけられました。
40代に差しかかった私が、お嬢さんなんて呼ばれるのは相当に久しぶりです。
振り返ると、声の主は70代の男性。
スーツを着用し、穏やかで紳士的な雰囲気の方でした。
「一発とは...?」と考えていた私に、男性は穏やかな表情のまま、無言で1枚の紙を差し出しました。
それはモノクロの書類のようでした。
どうやらこの男性は「機械の操作が苦手だから、この書類のコピーを1枚、自分の代わりに取って欲しい」と言いたかったようです。
「一発」とは「コピーを1枚」という意味だったのですね。
20年前の私なら「新手のナンパかな?」と考えてしまうところでしたが、こちらも大人。
男性の伝えたかったことを汲み取って、代わりにコピーをしてあげることにしました。
しかし、男性の言い間違いに、さすがに動揺していた私。
無言で差し出された紙を無言で受け取り、機械の説明もそこそこにコピー機のボタンを押し、出てきた紙と元の紙を無言で男性に引き渡す、非常に挙動不審な対応をしてしまいました。
渡された紙を受け取り「ありがとう」と言って立ち去った男性。
この間、男性が発したのは「お嬢さん、一発お願いしていいかな?」と「ありがとう」の二言のみ。
男性は、言い間違いには気が付いていない様子に見えました。
私は「変なおばちゃんだったなー」と思われていたかもしれません。
しかし、男性は自分の言い間違いに気がづいたからこそ、二言しか発さなかったという捉え方もできます。
もし、私が同じ状況だったら「間違ってしまったー!」と心の中で慌てふためくだけで、言葉の訂正をする余裕はないと思うのです。
それ以来、スーパーでその男性とは会っていません。
白昼の1日限りのドギマギする出来事でした。
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