気づかなくてごめんね...完璧だった母の老いを目の当たりにして思うこと

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ペンネーム:さるまっち
性別:女性
年齢:46
プロフィール:若年結婚を経て、今は孫がいる巷でいう「おばあちゃん」です。ここまで人生を重ねると、色々な喜怒哀楽があります。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私は今まで、母が段取りよくテキパキと動いているのは当たり前のことだと思っていました。

母は朝起きてから寝るまで常に何かをしていることが日常で、今思ってみると、休んでいることがなかったのではないかな?と思うほど働き者な、自慢の母です。

母は、父と二人暮らし。とてもきれい好きで、全て自分でやらないと気が済まない性格です。いつ実家に帰っても床も窓もピカピカ、ガーデニングにも凝っているので、大変きれいに整頓された庭があります。

もちろん買い物も自分で車を運転して買い出しに行きます。

二人暮らしなのに孫やひ孫が来たとき用のお菓子も常にたくさんあって、おもちゃもたくさん置いてあります。

本当に至れり尽くせり、申し分のない母なのです。

ところが、そんな母が、70代半ばになって最近ポロっと何気ないことを言いました。

「最近ね、自分の思っていることができなくなってきたのよね」

弱音を吐くような母を見たことがなかったので、最初は私が何か意味を取り違えたのかと一瞬考えたほどです。

私が結婚したとき、炊事家事は全くダメで、子どもが生まれてからも、困ったことは全て母頼み。いつまでも頼りになる母だと思い込んでいました。

でも、あれから十何年も経っているんです。そりゃ若い頃のままというわけにはいかないな、と思います。

だって、今の私でさえ、結婚をした子供もいて、孫もいて、世代が変わる頃に差し掛かっているんですから。

でも、私からしたら、母は母。

実家に寄ればご馳走をしてくれて、愚痴を聞いてくれる、昔のままの母なんです。
無理をしているなんて思ったこともありませんでした。
「母は母で当り前」と思い続けて今まで過ごしてきてしまったんだなと、私は母の言葉を聞いて、心が痛みました。

70代半ばになった母。

最近になり、足が弱ってきたとか、集中力がなくなってきておいしいご飯が作れなくなったという弱気な母を見ることが増えてきました。
それもそのはず。私だって孫の面倒を頼まれても、半日もしないうちに疲れてしまってお手上げなんですから。

それでも母は今日も全力で生活を守っています。

「大丈夫だよ~まだまだやってあげたいことがいっぱいあるんだから!」と母はいうけれど、やっぱり年をとったおばあちゃんです。

気づいてあげられなかったことを反省して、私は母がこれからまだやりたいことのお手伝いをしていこうかなと思います。

せめてもの母への恩返しとして。

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