<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:孫の一言がきっかけで始まった私のモヤモヤ。それはまさかの形で...。
技術職の夫(59歳)、ライターの私(55歳)、16歳で結婚して出産し、現在はシングルマザーの長女(28歳)、2人の孫(11歳と8歳)で同居しています。
そんな我が家で2年前に起きた出来事です。
ある夏の日から、夫が「コンビニに行ってくる」と出かけるようになりました。
決まって毎週月曜日、午後6時です。
この習慣が始まったのが多分春ごろで、気づいたのは小学校3年生の上の孫でした。
「じいじは月曜日にいつも出かけてる。だいたいこの時間」
サスペンスドラマみたいな口ぶりで、そう私に伝えてきました。
「超真面目なじいじが、毎週月曜日に出かけているのはどこに? 何しに?」
このとき以来、夫の行動は家族全員の興味の対象になりました。
最初はまったく気にしていませんでしたが、次第に気になり始め、ついには「月曜日の夫はなんだかとってもうれしそう」と感じるようになったのです。
段々と私のモヤモヤが猛スピードで加速。
もう放置はできませんでした。
ということで、ここは直球勝負。
「なんで毎週コンビニ行くの? なんで夕方6時なの?」と聞いてみました。
夫は「なんとなく...」とか「おつまみが...」など、歯切れの悪い返事を返してきます。
これは怪しい。
「浮気?」とか「お気に入りの店員さんがいるの?」など、しょうもない想像が頭に浮かぶようになり、私のモヤモヤは最高潮に達しました。
ここは行動あるのみ。
探偵みたいにこっそり夫を追跡することにしたのです。
そうしてやってきた次の月曜日。
いつも通り夕方6時が近づくと、やはり「コンビニ行ってくる」と玄関に向かう夫。
やっぱり嬉しそうでした。
「いってらっしゃい」とか言いながら、すかさず私も行動開始です。
バッグをもって玄関に向かい「よし!」と気合を入れたその瞬間、出かけたはずの夫が帰ってきたのです。
「マイバッグ忘れた」と言いながら。
玄関で鉢合わせし、少し驚いた表情の夫が「買い物? 何がいるの?」と聞いてきたのですが、とっさに何も浮かばない私。
しどろもどろした後、素直に聞くことにしました。
「毎週月曜日、夕方6時にあなたがお出掛けするのが気になっています。それは女性関係かもと疑っています。それを確かめたくてあなたを追跡調査するところでした」
これを聞いた夫はあきれた表情に。
そして、仕方がないと言いたげな様子で真実を話してくれたのです。
「実は、毎週月曜日はマンガ雑誌の発売日。それを読みたくて。夕方6時なのはみちこさん(私)がご飯を作ってる時間で抜け出しやすいから」
以前は、そのマンガ雑誌を喫茶店で読んでいたそうです。
しかし、コロナ禍で喫茶店に行くことがなくなり、同時に目的のマンガ雑誌が読めなくなったので、コンビニで読むようになったのだそうです。
なんじゃそりゃ。
「いやいや立ち読みはダメでしょ。家で読めばいいのに」
「それはイヤだった。いい年だし、孫もいるし。みんな笑うだろうし...」
なんて話をしていたら、突如下の孫が乱入。
「だからじいちゃん、あの船長がどうなるか知ってたの!?」
とてもうれしそうに夫に聞いてきました。
これが完璧な助け舟となり、夫の浮気疑惑はあっさり解決。
私は心底ホッとしながらも、「私のモヤモヤどうしてくれる?」となり、つい「家で読みなさい!」と叱ってしまいました。
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